<旅先で私たちは何を見るのか?>
世界的にますます盛んになる「観光」について、歴史、リゾート論、まちづくり論、メディアとのかかわり、国立公園、内地観光団、チャイナタウン、ジェンダー、宗教、香港・インドの事例など、多様なキーワードで論じる「観光社会学」入門!

---目次-------
01章 観光の理論的探究をめぐる
    観光まなざし論の意義と限界

02章 自然観光における
    観光のまなざしの生成と発展

03章 創出された「観光地」
04章 観光客のまなざしと近代リゾート
05章 観光空間・知覚・メディアを
    めぐる新たな社会理論への転回

06章 観光のまなざしと
    現代チャイナタウンの再構築

07章 地域と観光のまなざし
08章 「観光」へのまなざし
09章 ホームステイにおける
    異文化のまなざし

10章 ツーリズム・プロダクトと
    ジェンダー

11章 宗教体験と観光
12章 香港における観光のまなざし
13章 越境する<観光>




【編著者】
遠藤英樹(えんどう・ひでき)
奈良県立大学地域創造学部助教授。
M・Mゴードン著『アメリカンライフにおける同化理論の諸相』(共訳)、晃洋書房、2000年ほか。

堀野正人(ほりの・まさと)
奈良県立大学地域創造学部助教授。
共編著に『現代観光へのアプローチ』(白桃書房、2003年)『ホスピタリティ・観光事典』(白桃書房、2001年)ほか。


【執筆者】
安村克己---01章
(奈良県立大学地域創造学部教授)
西田正憲---02
(同上)
川島智生---03
(神戸女学院大学非常勤講師)
神田孝治---04
(大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程)
大橋健一---06
(立教大学観光学部教授)
千住一---08
(立教大学大学院観光学研究科博士課程後期課程)
山口隆子---09
(神戸大学大学院総合人間科学研究科博士課程前期課程)
安福恵美子---10
(平安女学院大学現代文化学部教授)
中谷哲弥---11
(奈良県立大学地域創造学部助教授)
芹澤知広---12
(奈良大学社会学部助教授)
須藤廣---13
(北九州市立大学文学部教授)

 

 

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遠藤英樹
堀野正人
編著

2004年5月

ISBN
4861100097

定価
(2381円+税)

A5判
250頁





他者とは知覚野の構造である、と哲学者は言う。

「他者のもたらす第一の効果、それは、私が知覚するあらゆる客体、私が思考するあらゆる観念の周囲に、余白の世界、マフ状にそれを取り巻く世界、「地」をつくりだしてくれることにある。そのおかげで別の客対、別の観念は次から次へと移り、移行の法則のようなものにしたがって出現し、過ぎ行くことができる。[中略]他者は世界を心優しい喧騒で満たしてくれるのである」(ジル・ドゥルーズ『Michel Tournier et Le Monde Sans Autrui』)


常に他者と共に在るわたしたちの知覚は、先験的に他者によって限定され、方向づけられている。とするならば、物そのものの知覚などもちろん不可能であって、知覚は制度的なもの、構造的なものであることは避けられまい。


旅に出、旅先でさまざまなものを知覚するとき、本当は何を見ているのだろうか。何を見せられているのだろうか。
『「観光のまなざし」の転回』は、フーコーの影響を大きく受けて書かれたという社会学者ジョン・アーリの名著『観光のまなざし』を展開・転回する。コンテンツにあるとおり、13人の論者が、さまざまな観点・角度で「観光」の本質をさぐっていく気鋭の論稿である。


旅行など生まれてこのかた数度しか経験がなく、休みになれば部屋でゴロゴロ、音楽でも流してぐうたらしていたいぼくは、元来、観光になど1ミリの興味もない。しかし、そのぼくが第1の読者=編集者としてこの本を面白く読めたのはなぜか。
それは、「わたしたちは何を知覚しているのか」というこの根源的な問いが、各論に通奏低音のように流れているからだ。主体的に生きるなんてお笑いぐさだとしたって、せめて何を知覚させられてるか、ぐらいは知りたいじゃないですか。(ナイツウ)






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