快適生活の再生へ――
住空間としての「郊外」を「文化」の視点で考察するユニークな文化論。
欧米、日本の住宅、郊外事情を歴史的にたどり、望ましい住環境の姿を追求。
現状への一つの提案でもある。

<目次>
第一章 言葉と背景
 日本語/英語
第二章 サバービアの歴史
 メソポタミアとヨーロッパ大陸/
 マナーハウス/サバービアの誕生
第三章 アメリカのサバービア
 歴史/郊外と不倫/天国と地獄
第四章 ユートピア思想と田園都市
第五章 日本の郊外
 江戸から東京へ/山の手と郊外
第六章 「生れてはみたけれど」と郊外
 小津安二郎/蒲田/郊外の戦前と戦後
第七章 田園都市掛川
 田園都市/産業/文化とレジャー




山田利一(やまだ・としかず)
文学博士・アメリカ文学専攻。日本工業大学教授。
著書に『John Updike and Pennsylvania Dutch Country』(金星堂)。

 

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山田利一

2004年6月

ISBN
4861100135

定価
(1800円+税)

四六判
200頁





 ハコのなかに住んで、ひたすら働き蜂の生活を送ってきたが、このところ、身の回りをちっとは見渡すようになった。部屋の掃除をし、そこらにちらばった物(ぶつ)の整理整頓をして少しはすっきりする。
 さてと一歩外へ出ると、街は何と混みあっていることよ。確かに便利な日常生活は一通り確保されているものの、この息苦しい空間はどうしようもない。
 本書は、そう思っている、とくに都会生活の人に、ひとつの視点を提示している。快適な住空間はつまるところ、ほどよいバランスをどう確保するかで保障される。人口に見合った農・産業、インフラ、文化・娯楽施設、商店、病院、学校…などが過不足なく整備されなければならない。いわれてみれば当然のことであるが、現実とのギャップはあまりにも大きい。
 郊外は都市を取り巻く住宅地を意味し、豊かな緑に囲まれたその集合体、巨大な住空間をサバービアというのだが、日本にはそんなところなどないように思える。本書の紹介する静岡県掛川市は、こうした町づくりをいち早く進めている。日本のサバービアの数少ないサンプルと注目されている。
 下町住まいの著者の歯切れよく直截な文章は、一気に読ませるリズムがある。
(Hotto)






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