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モームは通俗作家なのか? モーム研究50年の間に見えてきたモーム文学の本質と真の魅力を作品ごとに分析。著者訳の引用文をたどりながら、「面白さ」の秘密を解き明かす。
日本図書館協会選定図書


柏原啓佐(かしわばら・ひろすけ)
1932年生まれ。京都大学文学部卒業。山口大学教授を経て、現在、奈良産業大学経済学部教授。
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かなかなこのイラストファイルを見ていたら、本書の内容にぴったりの絵を発見。これだ!と思い、表紙に使いました。サンプルは、茶とグレーの2種類を用意。「グレーのほうがモームの世界という感じですね」という柏原先生の一言で決まり。(山)


奈良新聞「3部構成で解析した労作」
(2003.03.16)
サマセット・モーム(一八七四−一九六五)が読まれ出したのは、おそらく現在六十代以上の人たちによってではないだろうか。もちろん、それ以前の人たちも読んだことはあるが、集中的に彼の翻訳が出たのは、戦後になってからである。
かくいう評者も、戦後になってから、『人間の絆』や『月と六ペンス』を読んだことがある。どちらかというと、自伝的要素がふくまれている『人間の絆』に肩入れしたことを記憶しているが、いずれにしても遠い日の思い出となってしまった。そして、親近感を覚えたのは『世界の十大小説』や『要約すると』などであった。それに『作家の手帖』という作品も逸することができない。
そんなモームについて論じられたのが本書であるが、構成は三部から成っている。第一部ではモームの長編小説が、第二部では短編とエッセー、第三部では英文学の流れの中でモームがとらえられている。が、評者には、批評家としてのモームが論じられている第二部が面白かった。ともあれ、多面的なモームの文学宇宙を解析した労作で、オールドファンには必読の一冊である。
嘉瀬井整夫(文芸評論家)
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