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開発途上国のヨード欠乏症撲滅をめざす医師と社会学者の実践ドキュメント。特にネパール政府や患者へのインタビュー、患部であるコブの写真は日本初公開。日本の昆布が貢献する。
甲状腺ホルモンの原料となるヨードは、人の体にとって絶対に必要なものだ……ヨード補給は、非常に安い費用で大きな貢献ができる支援だ。ぜひこの問題に関心をもち、協力してほしい。
(ヨード欠乏症国際対策機構日本代表
東邦大学名誉教授・入江實)


山本智英(やまもと・としひで)
大阪大学医学部卒業。ヨード欠乏症国際対策機構会員。
熱田親熹
(あつた・ちかよし)
三洋電機退職後、関西国際大学短期大学部教授。関西国際大学客員教授。
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山本先生はお医者さん、熱田先生は大学に勤務。二人とも早口で、こちらもつい早口に。表紙は昆布を使用。武田尋善クンが迫力あるデザインに仕上げてくれました。選んだ紙も手ざわりが昆布のよう。ぜひ触ってみてください。
(山)


JCA FRONTIER
(平成15年7月号)
ヨード分の多い海藻が豊富な日本は、ヨード欠乏症患者はほとんどいないが、世界には罹患の危険性のある人が約16億人もいる。この本は、開発途上国のヨード欠乏症撲滅に向けて挑戦する医師(山本)と社会学者(熱田)の実践ドキュメントだ。この本は、長女とネパール人青年との間に生まれた重度のヨード欠乏症の孫をもつことで、この病気への関心を高めた熱田氏と、甲状腺疾患が専門の山本医師の出会いがなければ誕生しなかった。ヨード欠乏症患者の実態や治療法の詳細などがまとめられた1冊。
神奈川新聞
(2003.09.07)
人間の身体の、首などにできるコブの話である。本書によると、コブは先天的な原因によるのではなく、ある栄養素が不足するためにできるという。
世界で約七億人が、コブをもっているという。発展途上国で、アジアの特に海から遠く離れた地域の人に多い。
その栄養素とはヨードのことで、主に塩や昆布などに含まれている。これが不足すると、甲状腺の働きに影響し、死産や小人症、ろうあなどになることがあり、総称してヨード欠乏症と呼ばれている。
著者の娘さんがネパールの青年と結婚し、生まれたお子さんにヨード欠乏症の兆候があった。早期発見で事なきを得たが、こうした体験からも、ヨードの重要性を訴えたいとして本書が生まれた。
副題が「ヨード欠乏症への医学的・社会学的挑戦」とあるように、T部で熱田氏がネパールでの現地調査による社会学的研究を、U部・V部で医学者の山本氏が、国際的な取り組みや、家畜のヨード欠乏症にも言及し、アジア諸国の”コブとり対策”の現況を紹介している。日本は世界第二位のヨード産出国なので、世界に貢献できるという。
毎日新聞「あっとおおさか」
(2003.08.10)
甲状腺が腫れて首にこぶができたように見えるヨード欠乏症に関心をもってもらい、支援活動の輪を広げたいと、関西国際大学客員教授の熱田親憙さんが「アジアの瘤ネパールの瘤―ヨード欠乏症への医学的・社会学的挑戦」を出版した。大阪市の医師、山本智英さんとの共著で、熱田さんが社会学、山本さんが医学の観点からアプローチした。
海に囲まれ、ヨードを豊富に含む海藻などをよく食べる日本人に患者はほとんどいないが、やせた土地で自給自足の生活を送らざるを得ないネパールなどでは、ヨード不足のため甲状腺異常に苦しむ人が多く、世界中で約16億人がヨード欠乏症の危険にさらされているという。
熱田さんは95年に三洋電機を退職後、関西国際大でマーケティング論などを教えてきた。ネパール人男性と結婚した娘の子がヨード欠乏症と診断されたことがきっかけで、独自に現地調査と研究を重ね、食品メーカー「フジッコ」(神戸市)の協力で昨年4月からネパールに昆布エキスを送る活動をしている。
現地調査の際に好評だった酢昆布や昆布あめを送ったり、将来的にはヨードとともに不足しがちな鉄分、ビタミンAを含む飲料の開発なども視野に入れており、NPO(非営利組織)の結成を目指している。熱田さんは「出版を機にヨード欠乏症に対する市民の関心を高め、支援活動に参加してくれる人を集めたい」と話している。
amazon.com「カスタマーレビュー」
(2003.06.08)
昭和10年代生まれの医師と社会学・経営学の大学教師が、専門の垣根を越え、自らの最後の仕事としてヨード欠乏症の対策に乗り出しました。ヨードは人間の成長に欠かせない微量栄養素で、最近では原発事故の放射線による甲状腺ホルモンの異常を防ぐための栄養素として注目されています。アジアの内陸部・山岳地域では海産物がなくヨード摂取が難しいため甲状腺肥大という症状を見せていて、予防可能でありながら、多くの途上国で未だ対策に苦慮しています。日本は世界第二位のヨード産出国。ヨード欠乏症の継続的排除に向けて活動を始め、その熱意と知識を次の世代へ繋げたいと願って書いた心のこもった研究書は、日本の医療協力に対しても大きな影響を及ぼすのでは。
専門的でありながら読みやすいし、アジアやネパールに興味のある方や、国際協力に関心のある方に是非推薦したい感動の一冊です。
(松村美香)
静岡新聞
(2003.05.24)
静岡日本平ロータリークラブ(石川進哉会長)はこのほど、ネパール国民のヨード欠乏症の実態を記録した本『アジアの瘤ネパールの瘤』を静岡市内41の中学校に贈った。
本は、ヨード分を含んだ海藻や塩が入手しにくいネパールで、ヨード欠乏症の調査・研究をしている関西国際大地域研究所客員教授の熱田親憙氏と、甲状腺研究を続けている大阪市の内科医山本智英氏の共著。同欠乏症を医学面から解説し、国際的な援助の取り組みについても紹介している。
石川会長が市静岡総合事務所に小嶋善吉市長を訪れ、本を手渡した。石川会長は「日本の中学生にもアジアの現実を知ってもらいたい」と寄贈の理由を説明し、小嶋市長は「いただいた本を学校で十分に活用したい」と述べた。
同クラブが熱田氏を講演に招いたことなどが縁で、寄贈を決めた。同クラブは平成13年から14年まで、米国のロータリークラブなどと協力し、ネパール国民に塩の摂取を呼び掛ける事業を行った。
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