賢治とスウェーデンボルグ。奇妙なとりあわせに見える二人だが、そこに共通する深い思想の水脈があった―二人の思想を通じ、日本人にとっての「霊性」の本質に迫る力作!

目次
第1章 スウェーデンボルグの実像
第2章 仏教思想と
          スウェーデンボルグ神学
第3章 禅仏教とスウェーデンボルグ神学
第4章 鈴木大拙と
          スウェーデンボルグ神学
第5章 宮沢賢治の人と思想
第6章 『銀河鉄道の夜』再考
第7章 『法華経』の不思議
第8章 大乗仏教と原始キリスト教
第9章 日本仏教と
          スウェーデンボルグ神学
第10章 空海とスェーデンボルグ



瀬上正仁(せのうえ・まさひと)
1954年宮城県生まれ。整形外科医。高校時代から神道家の勝又正三に師事。神道を主体とした東洋思想とスウェーデンボルグ神学との関連について研究を重ねている。「日本スウェーデンボルグ協会」運営委員。
著書に『明治のスウェーデンボルグ―奥邃・有礼・正造をつなぐもの』

『魚と水―ある天才宗教家霊的体験の記録』
(春風社)他。

 

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瀬上 正仁

2003年7月

ISBN

4921146829

定価

(2857円+税)

四六判

315頁





副題に「賢治とスウェーデンボルグの夢」とあるように、ふたりの時間軸がふつうの人とちがって見えたので、砂時計をあしらった装丁を考えた。砂浜に打ち上げられた砂時計。昼と夜。トウキュウ・ハンズで光る砂の入った砂時計を買ってきて、休日、湘南の海にでかけ、お尻プリプリのイカしたむすめたちには目もくれず(はい。うっそピョーン!)、ひるよる徹して撮影にいそしんだ。けっこう意図した通りの写真ができ、それをふまえ、わが田顔が装丁を考えてくれ、できあがったのが、これ、このとおり出色のでき栄え。……と、いくはずだったのが、田顔、思うところあって、社長の俺の指示をあっさり振り払い捨て去り、仏教曼荼羅の世界とキリスト教の十字架を交叉させ、実に甘美象徴的な装丁に仕上げてくれた。こうなると、怒るに怒れない。いいよいいよ。俺は、どうせ、腐草になる運命さ。ははは。(三)




河北新報
賢治の神秘に連なる
スウェーデンボルグ」

(2003.10.14)
 宮沢賢治の思想に表れた仏教の神秘主義に注目すると、スウェーデンボルグ神学と多くの共通点が浮かび上がる。仙台市の医師で、思想研究家の瀬上正仁さん(49)が「仏教霊界通信 賢治とスウェーデンボルグの夢」で述べている。
 18世紀北欧の神学者スウェーデンボルグは、自らの霊界体験に基づいて独自の神学を確立し、多くの著作を残した。
 本書は賢治の宗教思想を一つの題材としながら、キリスト教神秘主義に属するスウェーデンボルグと仏教の関係を論じている。
 二人の共通点として 1.科学的な素養がある 2.宇宙的な宗教観を持つ 3.霊的能力の持ち主―を挙げる。
 「銀河鉄道の夜」を取り上げ、賢治の求めた「本当の幸い」を、絶望的などん底を乗り越えて初めて自覚できるものであるとし、その考えはスウェーデンボルグ、ひいては人類すべての宗教の根幹となる思想であると強調する。
 スウェーデンボルグが社会思想家の木下尚江、米の日本人彫刻家イサム・ノグチ、女性運動の先駆者平塚らいてうら、明治以降の多くの知識人に影響を与えたことを示し「日本の宗教意識が彼の思想に通じるところがある」と、彼の普遍性を強調する。

(C)春風社 / Shumpusha Publishing