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神秘主義はマグマである―。西田幾多郎、西谷啓治、マイスター・エックハルトらの哲学を足がかりに、「呼息と吸息をむすぶ」息吹なす靈気へと迫る、息をめぐる論考集。
【第一部】 論究T
風格としての神―
ドイツ神秘思想の体得のために
<息の根>考
「息吹なす靈気」としての非他者―
東洋思想との関連において
土塊(つちくれ)考
【第二部】 随想・講話
太陽に誰が火を点けたか
山の靈気
炎の剣
創造主の絵の具
光と風
降誕を待つ
鵙よ鳴け
山辺に向かいてわれ目をあぐ
「息を呑む」ということ―
「神秘主義」の語意をめぐって
「絶対無」の息づかい―
私にとっての西田哲学
いのちの息吹
風、息、靈
【第三部】 論究U
映す無と生す無―
クザーヌスの語「一致の闇」の
解明を通して
呼息と吸息をむすぶもの―
絶対無の息づかいをもとめて
【第四部】 付論
ドイツ神秘主義の詩人ジレジウス
「息吹なす靈気」(spiritus spirans)
についての周到な御考察、
御研究の根本的態度をお示しになり、
遠大な御志の程、
期待いたします。
下村寅太郎(学士院会員、故人)


松山康國(まつやま・やすくに)
関西学院大学名誉教授。主な著書に『無底と悪 序説』など。
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各章のトビラに、ドイツの神秘主義詩人アンゲルス・ジレジウスの詩を配してある。
バロック期のこの詩人、ハイデガーにも甚大な影響を与えたわりに、日本ではほとんど知られていない(と思うのはぼくだけですか)。
たとえばこんな詩。
天は我が中にあり
止まれ――。
いず方へ汝は急ぎ往かんとするか。
天は汝が中にあるを。
汝もし神を他所にもとめんとせば、
汝はとこしえに神を逸し去るべし。
本書には「ジレジウス論」も収録されている。(内)


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カスタマーズレビュー
( 2003.09.08)
<春の風、秋の息吹>
本書は著者の独特の語りと語彙を通して、絶対無のpneuma(風、息、霊、気)を追求している。ドイツの神秘家ニコラス・クサーヌスと人ジレジウスを論じ、白川静の『字統』と『字訓』を援用して展開するその思索は、大地の鼓動を感じさせ、まさに「日本的霊性」の息づかいがする。丁寧に読まなければならない文体だが、それが却って読み手を根源的な「息」へと向かわせ、著者の意図するところであろう。西谷啓治に学んだクエーカーの著者は荘子や禅にも造詣が深い。なお、本書は小野寺功や門脇佳吉の著書とも響き合う。
本書を出した春風社は新井奥邃の著作集を刊行しているが、その関連であろう、本書のような京都学派・キリスト教神秘主義・身体論を軸にした思想書を次々手がけている。
コール・ダニエル
(福岡女学院大学助教授)
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