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<学校現場は「るつぼ」である!>
学力とはなにか。
生徒が意欲的に学習できる授業をどう展開するのか。
学習指導要領と現場とのギャップに悩みながら、真の国語力をつける授業を構築・実践した高校教師の提言集。
・目次・
教室で文学を読む
一章 「教室で文学を読む」ということ
二章 歴史物語の読みと歴史解釈について―『大鏡』と『栄華物語』の授業を通して
三章 歴史解釈と文学解釈
何を教えるか
四章 教育内容の構造化について
五章 「読むこと」と教育内容―説明的文章の読みを通して
六章 「国語学力」をめぐる考察


深瀬幸一(ふかせ・こういち)
山形大学工学部、人文学部卒業。
福島大学大学院教育学研究科修了。
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すごい読書家。音楽にも詳しい。文章を読むかぎりでは細面の文学青年タイプ。
が、実際に会ってみると、ガッチリした体格のスポーツマン。学校では野球部の面倒をみているという。お酒も強い。授業改革をめざす熱血漢教師だ。
装丁は武田尋善さん。地色の黒・灰色は矛盾に満ちた教育現場を、赤色は新しい道を切り開こうとする著者を表している。
(武家屋敷)


福島民報
(2003.03.21)
……昨年の暮れ、県立高校の中堅教師である深瀬幸一氏が、『るつぼの中の国語教師』という本を出版した。このことは、教師の専門性を高めるための貴重な挑戦の一つといえる。自らの実践を研究発表会などで報告することはよくあるが、著書の形で指導のあり方を問うことは、それほど多くはない。そのような勇気を持った教師の出現を歓迎したいし、ぜひほかの教師も続いてほしい。
この本が提起している問題は多岐にわたっている。いま、本の内容については省略せざるを得ない。が、特に第四章で強調しているのは、高校の三年間を通し生徒たちに何を学んで欲しいのか、教師はそれについてのビジョンを明らかにして授業すべきであるということである。一人の教師の出版を契機に、「ビジョン」などをめぐっての熱い議論が、学校の垣根を越えて展開されることを期待したい。……(前後略)
(高野保夫・福島大学教育学部教授)
『月刊 国語教育』
(2004年4月号)
「るつぼ」のような高校教育の現場。福島県の高校に二十年間、国語教師として勤務してきた著者の渾身の一冊。筆捌きは、ときに熱っぽく現状を憂え、またときに理知的・分析的に論理を駆使していく。
テキスト=本文を軽視した「読者論」の問題を取り上げた第一章では、イーザーの読書論の誤った受容・導入が批判的に論じられ、「教室で文学を読むこと」とは何かを鋭く問うている。著者は、ガダマーらの哲学的解釈学の理論を用いながら、読むこと・解釈・理解とは、具体的な歴史的社会的実存の中で、言語を媒介として生起する一つのダイナミックな出来事であることを強調する(二・三章)
続く、四章・五章は、本書のハイライトともいえるもので、著者自身の現場経験をふまえながら、独自の観点から、実際の教材づくりや授業づくり、授業分析についての考察が示されている。学習指導要領だけでは、一人ひとり様々な「顔」をもつ高校生を前にしての創造的な授業づくりはできない。全体的なヴィジョンに立った構造的で系統的な授業をどうつくっていけばいいのか。著者は、コンセプトマップを利用した、教科内容・指導要素(指導順序、評価事項も含む)の構造化の方法を提案する。
国語教師は、文化伝承(伝統)と文化創造(革新)の間で引き裂かれつつ、日々の実践にはげんでいる。本書は、現場からの実に貴重で歯ごたえのある自己省察・メッセージである。「僕ら教師も、引き裂かれ融かされながら、新しく生まれ変わりつづけたい」と著者はいう。
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