村上龍、桐野夏生から岡崎京子、しりあがり寿まで、「いま」を代表する小説・映画・マンガの話題作160以上を日本最高の明晰な頭脳が一刀両断!!
雑誌「論座」に5年間にわたって連載された「仮性文藝時評」をまとめた文藝評論集。

斬って斬ってもっと斬って
メッタ斬りにして
文学、音楽、コミック、
中条に斬れぬものなし!
デヤー!!
(しりあがり寿)

<本書に登場する主な作家>
ウェス・クレイヴン 桐野夏生 花村萬月
村薫 小林信彦 村上龍 山田風太郎
筒井康隆 宮部みゆき 岡崎京子
車谷長吉 村上春樹 ねこぢる 馳星周
夏目房之介 黒鉄ヒロシ 柳美里
大泉実成 若合春侑 ナンシー関
中島梓 天童荒太 リリー・フランキー
出口裕弘 吉本隆明 竹下節子
山本直樹 佐野眞一
ジャン=リュック・ゴダール監督 
松浦寿輝 町田康 澤口俊之 
田口ランディ 立川志らく 立川談志 
相米慎二 吉田修一 山本文緒 
片岡義男 北方謙三 齋藤孝
関川夏央 星野博美 唯川恵 長嶋有
しりあがり寿 さそうあきら 荒川洋治
養老孟司 橋本治 山田宏一
宇田川幸洋 宮崎駿 古谷実
北野武 鈴木一誌 安原顯
マイケル・ムーア 花輪和一




中条 省平(ちゅうじょう・しょうへい)
1954年神奈川県生まれ。学習院大学文学部フランス文学科を卒業後
東京大学大学院博士課程単位取得修了。パリ第10大学文学博士。
現在、学習院大学文学部教授。
著書『反=近代文学史』『小説の解剖学』ほか多数。
現在、フランス・デカダン文学の決定版、
バルベー・ドールヴィイ著『悪魔のような女たち』(ちくま文庫)を翻訳中。

 

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中条省平

2003年11月

ISBN
492114690X

定価
(2800円+税)

四六判
480頁





あとがきでご自身書いておられるが、
中条さん、顔に似合わず(失礼!)口が悪い。
たとえばこんな具合。

「思わぬ見どころは、後者(テレビドラマ『ストーカー・誘う女』)で小林稔侍を心理学の大学教授に起用するというとんでもない誤算で、大学の教室や研究室に小林の仏像みたいな頭があらわれ、狭い額にがっきりと皺を刻みつつ、あの塩辛声で、「ストーカーが治るためには」などと訳の分からぬ説教を垂れるたび、多くの家庭が爆笑の渦に呑みこまれたに違いない。」


うひゃひゃひゃひゃ。ぼくはここを校正するたびに爆笑の渦に呑みこまれた。
この調子で484ページ。写真もいっぱい。
ヤスケンさんなら、「これで2800円! タダみたいなもんじゃん!」と言ってくれたにちがいない。(内)




『サイゾー』
(2004年2月号)

 6年にわたる「論座」での連載「仮性文藝時評」を完全収録。文学・映画・音楽などの文化諸相を語る著者は、ゴダールの『映画史』を「世界で最も複雑な引用の織物」として「難解さが人に思考を促す」と評する。そんな本書も、引用の宝庫である。


marie claire「AGENDA BOOKS」
(2004.February)

掲載誌面はコチラ
――中条省平の新刊が出たよ。
――あら。可愛いイラストね。
――さすが名人・しりあがり寿だね。
――名刀中条スパパパパンって、どういう意味?
――当たるを幸い薙ぎ倒す。高田馬場の堀部安兵衛か、中条省平か。
――それってどこかの飲み屋?
――いや、まあ、『キル・ビル』のユマ・サーマンみたいなものかな。
――ブックガイドなの?
――そうも読めるんだけど、元は雑誌に連載された文芸時評なんだ。
――夕刊に載ってる小説の品定めみたいなもの?
――まあね。中条省平のことだから、内外の娯楽小説・純文学問わず、さらに評論にマンガに映画、と対象は広いよ。それに落語もね。
――面白かった?
――感動した。
――なによそれ。どっかのボキャ貧の首相みたい。
――いや、ほんとに感動したんだよ。文芸時評を読んで感動するなんて思いも寄らなかったな。
――やれやれ。で何に感動したの?
――たとえば、佐野眞一の『東電OL殺人事件』を取り上げて、このルポタージュが優れているのは、取材の徹底さもさることながら、被害者のOLに佐野が感情移入し、ついには彼女の「怪物的純粋さ」に胸がふるえるほど感動しているところだ、というんだね。中条は佐野の「感動」に感応し、返す刀でこの事件を生ぬるい小説に仕立てた久間十義の「鈍感」さを斬って捨ててるんだ。
――へぇ〜。
――佐野にとって東電OLは己の全存在を賭けて迫る対象だったのに対し、久間にはたんなる小説の素材に過ぎなかった。これでは彼女の真実に迫れないよ。中条はここで、批評という行為が小手先の営為でなく、佐野のルポタージュ同様、己の全存在を賭して行ないうる営為であるということを示しているんだよ。これじゃ感動しないわけにゆかない。
――批評も小説も「諸刃の剣」ってわけね。
――そう。ひとり安全地帯にいてなしうる仕事じゃない。日航機墜落事故という事実に取材しながら航空会社も政治家も仮名にした、山崎豊子の小説『沈まぬ太陽』の腰抜けぶりを厳しく批判したところも胸がスッとしたね。
――倫理的なのね。
――天に代わりて不義を討つ、さ。
――またわかんないこと言ってる。
――この本は、文学や社会や政治に対する危機意識の表明という意味で、たぐい稀なクリティックの書というべきだろうな。99年のNATOのセルビア空爆を論じた多木浩ニの『戦争論』を取り上げた際に、中条は多木とともにはるか2003年のイラク戦争を予見しているよ。



西日本新聞
(2003.11.30)

学習院大学教授の著者が、今春まで月刊誌「論座」に連載した批評集。連載は66回に及び、本書も500頁弱の分厚さ。書籍を中心に、映画、音楽などさまざまな分野を対象に、その時々の社会事象と照らし合わせながら作品を批評する。タイトルから想像する辛口批評より、著者が作品を通して得た感想が多い。



『ダカーポ』
「書評にもいろいろな表現がある。もっと深く学びたい人へ」
(2003年12月3日号)
 毎回、中条さんが選んだミステリーや映画やマンガやノンフィクションや純文学が俎上に載り、諸作品が踏み込む、または踏み込み損なった少年犯罪の本質や新しい国家主義の行方、結婚生活の憂鬱や若者の明るいニヒリズムといった各種生々しい問題が語られている。読後、こんなにすっきり分かった気になっていいんでしょうかと、逆に不安になるほど明快な現代文明批評の書なのである。

読売新聞
(2003.11.08/夕刊)

 総合月刊誌に、1997年から2003年にかけて連載された文芸時評66回分をまとめた一冊。「文芸」とはいえ文学にとどまらず、映画、漫画、落語と著者の興味の赴くまま縦横無尽に、その時々の文化諸相を切り取ってみせる。世紀の変わり目をはさんで出来した諸問題に呼応して取り上げた作品群を絶妙なテーマにくくる。文学、とりわけ純文学に対する辛口は切れ味抜群だ。

『CREA』
(12月号)

当代随一の文藝評論家による渾身作。
「斬り捨て御免ッ!」とばかりに、斬れ味バツグンの頭脳で、小説からマンガ、映画、写真集までを一刀両断。村上春樹、桐野夏生、山田風太郎、岡崎京子、ねこぢる……etc. 話題作160以上を取り上げた、まさに究極の読書案内です。ご本人曰く「世紀の変わり目における日本文化の諸相、諸問題をとらえた現場リポート」としても、読み応えあり。

『週刊現代』
(2003年11月15日号)

 月刊誌『論座』に連載した「仮性文藝時評」をまとめたものだが、あまりの切れ味のよさから「名刀中条〜」のタイトルに。著者自身「世界に拮抗しうる作家」と評価する村上龍氏でも、作品によっては容赦はない。もちろん、高く評価するときの切れ味も抜群。文学を中心に間口は広く、日本の文化状況を一望するには格好の書。

(C)春風社 / Shumpusha Publishing