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●牡牛と信号
<物語>としてのネパール
著者の山本先生はネパールの研究者。ぼくも子どもの頃からネパールに行っていたので、この本作りには思い入れがあった。本書は学術書でありながら、その枠組におさまらない。「<物語>としてのネパール」が生き生きと活写されている。単なる研究報告ではなく、ネパールの体温を感じるような本にしたかった。
[紙]
手織りの布やザラ紙に刷られたような雰囲気を出すために、紙選びには気を遣う。ジャケットはもちろん、表紙、見返し、オビにいたるまで気は抜けない。
[絵]
ザラザラした触感の紙の場合、おのずとインクのノリは悪くなる。そこで、できるだけシャープに仕上げるために、ペンで描くべき絵をコンピュータを使い、チクチクと描いていった。途中経過(ラフ)を著者に郵送すると「描いているところ、作っているところが見たい!」とはるばる山口県から、制作現場へやってきた。
[本文]
本文は読みやすく、疲れないのが基本。文字のポイントは大きく、行間も広めに。章ごとの扉には、先生の友人(元在ネパール日本大使)の写真をレイアウト。ここにもまた<物語>が生まれた。
すべてが完成し、はじめて本を手にとったとき、我ながら「これはいい!」と唸ってしまった。著者はもちろん、推薦文の谷川俊太郎さんも気に入ってくださった。
春風社では多岐にわたるジャンルの本が出版されるが、体温の感じない本は作りたくない。手に取ったとき、作り手の体温が読者に伝わっていく。そんな本を作りたい。
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