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よもやま日記(三浦)






 本づくりにおいて、パソコンがいかに発達しても、編集に不可欠の校正校閲は、生身の人間がすること。第一の読者としての編集者が著者により添いつつ、自らの感性で文章に手を入れる。著者との真剣勝負のやり取りによって、深いところで著者に向き合う。

 言葉を削ぎ落とすことで、言葉にならない言葉の先の大事な「ことがら」を演出しようと思うのだ。





episode


ダンテ神曲原典読解語源辞典


  辞書・事典はあらゆる文献の基礎。間違いのないことが第一だ。


 一見、正確さのみを追究しているように見える文字たち。しかし、よくよく見れば一語一語に、著者の想いが込められている。

 翻訳ではなく執筆当時のダンテの言葉に直接触れたい――そのためには、ラテン語までさかのぼることはもちろん、イタリア語での類語を参照しつつ、英語を中心とした他言語(フランス語、スペイン語等)との比較が必要不可欠だ。

 なんてったって、著者の福島先生は、マラソン115回完走のツワモノ。長い歳月をかけ、42.195キロ完走の心意気で全精力を注いで完成したのが『ダンテ神曲原典読解語源辞典』だ。

 一つの言葉がどのように変化していったか。同じ語でもこの行では用途が違う。現代語に置き換えると?…等々、『神曲』を英訳で読みながら、海にもたとえられるヨーロッパ言語の派生的関連が理解できる仕掛けになっている。

 一語を求めて辞典を開く読者のために、機能的なレイアウトを追求。文学を読む愉しさを堪能できる行間もほしい。スペル、シラブルの切れ目のチェックは念入りに。
編集作業を進める一方で、社長がリキの入ったパンフレットを作成。大江健三郎氏、中条省平氏、柳瀬尚紀氏の推薦をいただいた。三氏とも絶賛。著者・編集部ともども狂喜。いやが上にも集中力が高まる。

 綴字記号も要チェック。イタリア語はアクサングラーヴ、スペイン語はアクサンテギュ。両方あるフランス語。各国の言語が相互に連関し、時代とともに変化しながら自国言語を確立していく。

 引くだけでなく読んで面白い辞典。この辞典はスコブル面白い!



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