日本語の種を渡す、受け取る

近代日本における日本語教育の誕生

  • 河路由佳(著)/2026年8月
  • 4800円(本体)/A5判・上製・484頁
  • 装丁:毛利一枝

戦争と共に生きた教師・学習者たちのストーリー
言語の教育とは、そのことばの種を渡して栽培法を伝えることではなかろうか――(本書「まえがき」より)。
近代日本の建設という大義のもと始まった日本語(国語)教育の現場には、ことばの種を分け与え大切に育もうと奔走した教師らと、その果実である日本語を自身の血肉として生き抜いた東西の学習者たちがいた。それぞれの知られざる物語に光を当て、日本語教育の今につながる流れを描き出す。
(ISBN9784868161288)

目次|Contents

まえがき
序章 個人の人生を通して近代の日本語教育史を考える
主要登場人物一覧

●第I部 近代日本の日本語(国語)普及に尽力した人びと
第1章 近代日本の日本語(国語)教育の展開と国定国語教科書
第2章 松田一橘~19世紀末「最初の日本語学校」とグアン・メソッド
第3章 松宮弥平・一也父子~日本語教師養成のフロンティア
第4章 長沼直兄の決断
第5章 長沼直兄の信念
第6章 〈満州〉でも教えた阿部正直
第7章 戦中・戦後の文部官僚、釘本久春
第8章 鈴木忍と戦時下のバンコク日本語学校

●第II部 各地で日本語(国語)を学んで生きた人びと
第9章 1920年代後半に現れたアイヌの青年歌人・違星北斗
第10章 日本統治時代のパラオと日本の架け橋・エラケツ
第11章 中島敦「マリヤン」のモデル マリア・ギボンと土方久功
第12章 呉建堂の「万葉精神」と『台湾万葉集』
第13章 呉建堂と〈国語〉教師・川見駒太郎/犬養孝

●第III部 ドナルド・キーンと日本語
第14章 ドナルド・キーンが学んだ長沼直兄『標準日本語讀本』
第15章 ドナルド・キーンの日本語力を培ったもの
第16章 日米戦争中のハワイ大学における上原征生の授業
第17章 「第三交響曲」(1953)の作家・堀川潭との友情

あとがき
初出一覧
図表一覧
【附録】東京外国語大学附属図書館 戦前・戦中・占領期 日本語教育資料(長沼直兄文庫)について
人名索引/事項索引

著者|Author

河路由佳(カワジ・ユカ)
武蔵野大学日本文学研究所客員研究員。NHK学園短歌添削講師。日本文藝家協会会員。現代歌人協会会員。
専門は日本語教育、日本語教育史、日本語文学。
慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程(国文学専攻)修了。一橋大学大学院言語社会研究科博士後期課程単位取得退学。博士(学術、一橋大学)。
(財)国際学友会日本語学校専任講師、中国・西安交通大学外語系日本語科日本籍講師、東京農工大学留学生センター助教授、東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授、杏林大学外国語学部特任教授等を歴任。
主な著書(単著)に『非漢字圏留学生のための日本語学校の誕生―戦時体制下の国際学友会における日本語教育の展開』(港の人、2006年)、『日本語教育と戦争―「国際文化事業」の理想と変容』(新曜社、2011年)、『日本語はしたたかで奥が深い―くせ者の言語と出会った〈外国人〉の系譜』(研究社、2023年)、『土岐善麿の百首』(ふらんす堂、2024年)他。

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