テレビドラマ『坂の上の雲』から考えるジェンダー/マスキュリニティ
- 石田依子(著)/2026年9月
- 3500円(本体)/四六判・並製・372頁
- 装丁:中本那由子
誰が語り、誰が支え、誰が沈黙させられているのか
NHKスペシャルドラマ『坂の上の雲』を題材に、階級、出自、教育、職業、地域といった諸条件を踏まえ、「男/女」の二項対立を超えた先の現代のジェンダー観を捉え直す刺激的論考!
(ISBN9784868161561)
目次|Contents
序 章 なぜ今、『坂の上の雲』なのか?――近代国家の叙事詩をジェンダーから読み直す
第1章 秋山真之はなぜ英雄になったのか?――多層化するマスキュリニティのゆらぎ
〈コラムエッセイ〉明治のアイドルはいかにして現代のアイドルになるのか?――広瀬武夫と時代が求める英雄
第2章 古武士的美学は現代的男性性といかに響き合うのか?――秋山好古の責任・判断・越境におけるマスキュリニティ
第3章 秋山兄弟はなぜかっこよく見えるのか?――不可視性から再構成される英雄像
〈コラムエッセイ〉明治の英雄はなぜ髭を生やしたのか?――髭という身体装飾
第4章 なぜ「正岡子規」か?――戦わない男の闘うマスキュリニティ
第5章 英雄の戦略はどの身体のうえに成立したのか?――戦争を成立させるマスキュリニティの分業
〈コラムエッセイ〉明治の英雄はなぜ地方の声で語るのか?――方言がつくる男性性の形
第6章 「後方」の女性はいかにして特権的主体へと反転するのか?――ジェンダー秩序を貫通する階級の論理
第7章 正岡律は「一身独立」をもって何を撹乱したのか?――「温存」という聖域に生じた逆説
〈コラムエッセイ〉なぜ神は「父」でなければならないのか?――検証されない男性的権威の聖域
終 章 「坂の上」の「雲」とは何だったのか?――戦勝の空洞化と単一化されたジェンダーの歴史的帰結
著者|Author
石田依子(いしだ・よりこ)
宮城学院女子大学教授。大島商船高等専門学校名誉教授。奈良女子大学大学院人間文化研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)(広島女学院大学・論文博士)。専門はジェンダー表象論。単著に Modern and Postmodern Narratives of Race, Gender, and Identity: The Descendants of Thomas Jefferson and Sally Hemings、Women at Sea beyond Gender Politics: Feminist Analysis on Femininity, Masculinity, and Sexuality in Bodies of Seafaring Women in Historical Discourses などがある。一方、国土交通省をはじめとする海事関係機関において、女性船員の活躍推進や船員の労働環境に関する委員・専門委員を歴任。海事分野におけるジェンダーと船員労働の研究に取り組んでいる。
