東アジアの弾圧・抑圧を考える

19世紀から現代まで 日本・中国・台湾

  • 岩下哲典、矢森小映子、塚越俊志、小林哲也、関良基、橋本真吾、永江貴子、濱口裕介、安田震一、龐淼、土屋真一、中川仁、吉田雅子、藤田賀久(著)/2019年12月
  • 4000円(本体)/四六判並製512頁
  • 装丁:根本眞一(クリエイティブ・コンセプト)

権力者はその秩序を維持せんとするとき、いかなる方途で異端者を弾圧・抑圧するのか。
弾圧・抑圧されるものは、いかに耐え、抗うのか。
言論取り締まり、追放、捕縛、暗殺など、権力闘争の渦中に生きた人々の営為を明らかにする挑戦的論集。
(ISBN 9784861106699)

目次|contents

序【岩下哲典】
第Ⅰ部 幕末維新期の日本
第1章 小関三英と蛮社の獄―学問観と政治意識の変容過程から【矢森小映子】
第2章 「蛮社の獄」による弾圧の影響―高野長英と宇和島藩の海防政策について【塚越俊志】
第3章 文久~慶応期における土佐勤王党への弾圧とその壊滅―幕末維新期における「国事周旋」の一側面【小林哲也】
第4章 江戸末期の暗殺と明治の弾圧の言説分析―「国体」「売国」「国賊」「大逆」【関良基】
第Ⅱ部 近現代の日本
第5章 明治期の「共和」言説と言論弾圧―「五箇条の誓文」から「共和演説」まで【橋本真吾】
第6章 国家による私学抑圧 明治三五年哲学館事件の深層―新潟県の名望家高橋九郎宛て政界実力者石黒忠悳の書簡から【岩下哲典】
第7章 明治三五年の教科書疑獄事件と中国渡航日本人教育者の動向―永江正直をたどって【永江貴子】
第8章 「蝦夷共和国」説の形成と展開―近現代における「俗説」形成史の一例として【濱口裕介】
第Ⅲ部 近現代中国と台湾・少数民族
第9章 一八世紀~一九世紀中国絵画にみる権力の象徴―西洋的な視座から【安田震一(ウィリアム・シャング)】
第10章 清朝における言論統制と弾圧―『三言二拍』の展開を中心に【龐淼】
第11章 文字改革運動の背景にみる章炳麟と弾圧―台湾亡命と「駁中國用萬國新語說」【土屋真一】
第12章 重層植民としての台湾―二・二八事件と台湾の民主化運動と多言語主義【中川仁】
第13章 中国における少数民族への言語政策―保護なのか弾圧なのか【吉田雅子】
第14章 外省人が来た道―眷村から見た台湾現代史【藤田賀久】
あとがき
著者紹介

訂正
本文中に以下のような誤りがございました。お詫びして訂正いたします。
232頁:第6章の註2:〔誤〕三浦文夫→〔正〕三浦節夫

著者|authors

岩下哲典(いわした・てつのり)東洋大学文学部教授。
矢森小映子(やもり・さえこ)東京大学史料編纂所学術支援職員。
塚越俊志(つかごし・としゆき)東洋大学非常勤講師。
小林哲也(こばやし・てつや)東洋大学大学院博士後期課程。
関良基(せき・よしき)拓殖大学政経学部教授。
橋本真吾(はしもと・しんご)研究者。
永江貴子(ながえ・たかこ)拓殖大学外国語学部中国語学科准教授。
濱口裕介(はまぐち・ゆうすけ)札幌大学女子短期大学部助教。
安田震一(やすだ・しんいち)多摩大学副学長兼グローバルスタディーズ学部学部長。
龐淼(ぽ・みゃお)明海大学大学院応用言語学研究科博士後期課程、インターナショナルスクール船橋・非常勤講師。
土屋真一(つちや・しんいち)明海大学大学院応用言語学研究科博士後期課程、千駄ヶ谷日本語学校非常勤講師、至誠館大学非常勤講師。
中川仁(なかがわ・ひとし)明海大学外国語学部日本語学科教授、同大学院応用言語学研究科兼担。
吉田雅子(よしだ・まさこ)早稲田大学ほか日本語教師。
藤田賀久(ふじた・のりひさ)多摩大学・文教大学非常勤講師。

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