変わる富士山測候所

  • 江戸川大学土器屋由紀子ゼミ 編/2004年12月
  • 1800円(本体)/A5判・254頁

日本人にとっての富士山とは!? 2004年夏、長く有人観測を続けてきた富士山測候所が70年の歴史を閉じた。現場関係者ならではの熱き思いとエピソード満載でお届けするユニークなエッセイ集。富士山の有効活用を説く!
(ISBN 4861100232)
NPO法人「富士山測候所を活用する会」

推薦の言葉

あの富士山頂の測候所が無人化する。厳しい状況下での観測の様子を強く印象づけられている者にとって、時代の流れと割り切れないものを感じる。その観測に当られた人々の熱い思い出が伝わってくるのが本書だ。たんに測候所の歴史を知るだけでなく、日本人の富士山に対する思いをあらためて考えさせる本である。
太田次郎(江戸川大学学長)

目次|indexs

序 問いを生きる
座談会 変わる富士山測候所
ガイドと歴史
富士山測候所ガイド 高橋 宙
富士山測候所の歴史 土器屋 由紀子
現在
一九九九年の富士山の観測と私 米倉 寛人
関係者以外立ち入り禁止―富士山測候所 吉川 哲生
富士山での大気観測に参加して 木戸 瑞佳
メールマガジン一二〇〇号 高橋 宙
冬富士・測候所余話 岩崎 洋
富士山体感記 三枝 文和
富士山での思い出 島根 雅志
空に浮かぶ塵たちと私たちの環境 新村 典子
二〇〇四年の大気化学集中観測 土器屋 由紀子
過去
インタビュー 自然と対話する―富士山レーダー建設 伊藤 庄助
富士山測候所との一〇年 立平 良三
はるかに富士山を望めば 平井 泰世
高山病 志崎 大策
山頂勤務の思い出 河野 元治
三七七六メートルを思う 下山 紀夫
富士山での気象観測はいま―夢と、現実と 城野 光昭
藤村郁雄さんの思い出 梯 武浩
人魂 伊藤 定亘
インタビュー 測候所とともに―支えつづけた半世紀 伊倉 範夫・勝又 實枝子
未来
富士山パワーをもらおう 斗鬼 正一
地球環境の視点―南極と富士山頂 長田 和雄
「富士山頂高所医科学・順応トレーニングセンター」および「総合観測研究センター」設立の提案 浅野 勝己
アマチュア天文家の立場から 佐藤 幹哉
富士山の世界遺産登録を目指して 渡辺 豊博
鼎談 明日の富士山を考える―ユングフラウヨッホを参考に
そして未来へ 五十嵐 康人、高橋 宙
あとがきに代えて

著者|author

土器屋由紀子(どきや・ゆきこ)
1964年東京大学大学院・農学研究科(修士)終了。1978~1979年、米国商務省標準局(NBS、現在NIST)で客員研究員。1997年より東京農工大学・農学部教授、2002年4月より江戸川大学社会学部環境デザイン学科教授。
主な著書『気象と環境の科学』(山崎道夫・廣岡俊彦編、1993年、養賢堂、共著)、『山の大気環境科』(土器屋由紀子・岩坂泰信他編、2001年、養賢堂共著)、『地球環境ハンドブック』(不破敬一郎・森田昌敏編、2002年、広川書店、共著)

担当編集者から

富士山に登ったことのない人間が編集を担当していいのか。右も左もわからぬまま編集作業にとりかかりました。まさに試行錯誤の連続。そんなとき、大成建設元社員の伊藤庄助さんとのインタビューが実現。伊藤さんの言葉に触れるうち、日本人にとっての富士山とは一体何か、という疑問が湧いてきた。
本書に収録されている文章には、各人が富士山と関わったことで得られた貴重な経験が綴られています。そもそも富士山とは何か。答えはひとつじゃないけれど、この本がそれを考えるきっかけになってくれればと思います。[-長田-]

 

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