ブラジル移民と五七五

ブラジル国際俳句(ハイク)のトランスカルチュラルな展開

  • 白石佳和(著)/2025年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製268頁
  • 装丁:毛利一枝

日本にもブラジルにもそして世界にも知られていないブラジルの俳句(ハイク)・ハイカイ文化の多様な展開について、仲介者である増田恆河(1911-2008)と当時の日系ブラジル人、増田の活動に共感した非日系ブラジル人たちによる俳句活動の功績を通して明らかにする。
(ISBN9784868160755)

目次|Contents

序章 ブラジルに根付くハイク、ハイカイと増田恆河
    1 ブラジル国際ハイクの多様性と増田恆河
    2 ブラジル国際ハイクから発せられる問い
    3 本書の構成
    4 本書で使用する用語について

第一部 ブラジル国際ハイクのトランスカルチュラルな展開
第1章 日本語歳時記『自然諷詠』とポルトガル語歳時記『NATUREZA-BERÇO DO HAICAI』の比較分析
    1 ヨーロッパ・北米・南米の国際歳時記概観
    2 俳句の国際化と季語・季題
    3 日系ハイクにおけるブラジル歳時記とブラジル季語
    4 真のブラジル季語を厳選した『NATUREZA』
    5 『NATUREZA』の詩的感覚の記述
    6 オーセンティックな歳時記
第2章 増田恆河の俳論―その背景と展開
    1 増田恆河の論考の分析と考察
    2 俳句雑誌『雪』と増田恆河の関わり
    3 『雪』と村松紅花、増田恆河の関係
    4 「ブラジル季語」の概念
    5 増田恆河の季語論の変容と『雪』の関わり
    6 二つの歳時記と有季ブラジルハイカイの季語観
    7 増田恆河の仲介活動の意義と評価
第3章 トランスカルチュラルな有季ハイカイ―ブラジルのハイカイ結社グレミオ・ハイカイ・イペーの初期句集と俳句観
    1 ブラジルハイカイに出現した有季ハイカイ結社
    2 合同句集『四季』の分析
    3 イペー結社の俳句観
    4 コンタクト・ゾーンとしての「座」

第二部 俳諧からハイカイへ
第4章 増田恆河の連句活動
    1 日本語による連句活動
    2 ポルトガル語による連句活動
    3 ブラジル連句の活動の意義
    4 オーセンティックな国際連句
第5章 増田恆河のグレミオ・ハイカイ・イペーでのハイカイ活動とその背景
    1 グレミオ・ハイカイ・イペーの活動史
    2 増田恆河がブラジルハイカイと関わった理由
    3 文化の変容を促す座と日本からのエンパワーメント
第6章 ブラジルのハイク継承における日系準二世の仲介活動
    1 はじめに
    2 準二世とは
    3 グレミオ・ハイカイ・イペーの仲介活動
    4 マナウスにおける仲介活動
    5 結論

第三部 活動型文学の提案
第7章 越境する座の文学
    1 「座の文学」という概念
    2 座の文学の系譜
    3 座の文学に見られる四つの性格
    4 越境する座の文学
第8章 活動型文学と教育―俳句から連句へ
    1 俳句・連句の教育実践
    2 句会活動と対話性―俳句と連句の差異をめぐって
    3 座の文学と教育活動の対話性の比較
    4 活動型文学としての連句・俳句教育の可能性
    5 活動型文学の提案と可能性
第9章 言語教育としての連句の可能性
    1 連句とは
    2 連句実践の概要
    3 ダイナミック・アセスメントの視点から分析した連句実践
    4 プレイフル・ラーニングの視点から分析した連句実践
    5 今後の連句実践に向けて
終章 境界を耕す座の文学
    1 ブラジル国際ハイクのトランスカルチュラルな展開
    2 増田恆河が果たした仲介的役割
    3 座の文学の越境という視点
    4 本書の学術的貢献
    5 今後の展望

おわりに

註/初出一覧/参考文献/索引

著者|Author

白石佳和(しらいし・よしかず)
1969年、愛媛県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得満期退学。金沢大学大学院人間社会環境研究科博士後期課程修了。
専門は、国際ハイク、日本語文学、日系文学、言語文化教育。
サンパウロ大学客員研究員、高岡法科大学准教授などを経て、現在、松蔭大学コミュニケーション文化学部教授。
主な著書に、『「日系」をめぐることばと文化―移動する人の創造性と多様性』(共著, くろしお出版, 2022)、『ことばと公共性―言語教育からことばの活動へ』(共著, 明石書店, 2024)
『検証 戦争に加担した日本文学3―ソフト・パワーとしての〈萬葉集〉』(共著, 花鳥社, 2025)他。

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