赤十字の父

アンリー・デュナン

  • エーテル・コッハー、ハンス・アマン著、九頭見和夫訳/2005年10月
  • 952円(本体)/四六判上製・96頁

戦場で傷ついた兵士に救いの手をさしのべたデュナンは<赤十字の思想>を生み出すが、自ら作った組織から孤立。事業の失敗、破産、周囲の無理解により孤独な晩年を過ごす。栄光と没落の波乱に富んだ人生を忠実にたどる。
(ISBN 4861100526)

目次|indexs

1 ジュネーヴ、一八二八年五月八日
2 お人好しの植民地入植者
3 皇帝の後を追って
4 『ソルフェリーノの思い出』
5 国際赤十字の創設
6 スターに、そして没落へ
7 極貧、それでも人類の幸福のために身をささげて
8 シュトゥットガルトの友人たち
9 ハイデン、新しい故郷
10 再び脚光を浴びて
11 調停者として最高の国際的な栄誉を
12 死に至るまでよりよい世界のために力をつくして
引用文献
写真の出典
アンリー・デュナン博物館(ハイデン)所蔵品
デュナン評
訳者あとがき
[資料1]ジュネーヴ条約一〇ヵ条
[資料2]【年表】アンリー・デュナンと日本赤十字社
[資料3]スイス、イタリアの地図

訳者|translator

九頭見和夫(くずみ・かずお)
福島大学人間発達文化学類教授(外国語・外国文化学系長)、日本比較文学会編集委員。
1942年、福島県に生まれる。東北大学大学院文学研究科(独語・独文学専攻)修了。福島大学附属小学校長、日本独文学会理事、東北大学・高知大学・放送大学等非常勤講師を歴任。
『太宰治と外国文学、翻案小説の「原典」へのアプローチ』(和泉書院、2004年)等著書・論文多数。

担当編集者から

まっすぐに自分の思想を実現しようとするデュナンは、「大人の根まわし」を重要視する組織から孤立。純であるがゆえに商売にも失敗。パンを買うお金もないほどひどい経済状態に陥る。招待されたサロンには、袖や衿の擦り切れた箇所を黒インキで染めて出かけたという。
いまでは当たり前になっている赤十字の思想が世界に広まったのは、デュナンの強い信念があったればこそ。意外と知られていないデュナンの生涯、大きな活字の本書でぜひどうぞ。[-山岸-]

 

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