思想のレクイエム

加賀・能登が生んだ哲学者15人の軌跡

  • 浅見洋/2006年3月
  • 3500円(本体)/四六判上製・360頁
  • 装丁:長田年伸

「愛する者の死」から哲学がはじまる。西田幾多郎、鈴木大拙、高橋ふみ、長尾巻ほか、北国にゆかりの深い思想家たちの生涯と哲学を紹介。失われつつある「哲学」へのオマージュ!
(ISBN 4861100682)

目次|indexs

序曲  日常から立ち上がる思想―思索の動機としての悲哀
第1曲  父に語った夢物語―女性哲学者の初穂・高橋ふみ
第2曲  母への努めを果たす―気骨あふれる教育者・山本良吉
第3曲  悲しみから人生を学ぶ―父母、妻、友の生を受け継いだ鈴木大拙
第4曲  生きつづける無限愛の教育論―信州で逝った哲学者・木村素衛
第5曲  虚無を生きた空の思想家―奥能登の風光、父の死と西谷啓治
第6曲  反戦を歌いつづけた透明な知性―獄死した唯物論者・戸坂潤
第7曲  瀕死の体験と聖化された信仰と思想―昭和の教父・逢坂元吉郎
第8曲  愛と理性の教育をめざして―教育者・赤井米吉
第9曲  妻の遺骨と共に―敗北の勝利者・藤井武
第10曲  近代日本への警鐘―在野の思想家・三宅雪嶺
第11曲  キリスト教的愛と清貧の実践―隠れた聖徒・長尾巻
第12曲  思索する指―近代彫刻の巨匠・高田博厚
第13曲  精神生活の原風景を求めて―国文学者・折口信夫
終曲  死は悲し、されど…―夭折の哲学徒・野崎廣義

著者|author

浅見洋(あさみ・ひろし)
石川県立看護大学教授。著書に『未完の女性哲学者高橋ふみ』(北國新聞社)、『西田幾多郎とキリスト教の対話』(朝文社)、『高橋文のフライブルク通信』(北國新聞社)、『二人称の死』(春風社)など。

担当編集者から

ドゥルーズの『差異と反復』に、「思考は暴力によって始まる」という有名なテーゼがある。思考は主体的に内発的に行われるのではない、常に向こうからやってくる。
著者・浅見さんの言う「二人称の死」もある種の「暴力」だ。
親しい者の死は唐突にこちらを襲い、いやおうなしに考えることを強要する。
そんな「暴力」に見舞われた思想家たちの物語と読み、編集した。
「レクイエム」のタイトルだが、ぼくにはブルースに聞こえる。[-内藤-]

 

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