教師のゲートキーピング

主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて

  • スティーブン・J・ソーントン(著)、渡部竜也・山田秀和・田中伸・堀田諭(訳)/2012年9月
  • 2857円(本体)/A5判上製268頁
  • 装丁:矢萩多聞

カリキュラム改革を実施しても、教師のカリキュラム調節能力(=ゲートキーピング力)を磨かなければ教室は変わらない。米国社会科教育史における論争を展望し、教育の根本を押さえつつ、カリキュラムを柔軟に運用する教師像を模索する。
(ISBN 9784861103285)

目次│contents

日本語版のためのまえがき
まえがき(ネル・ノディングス)
謝辞
序章    社会科の諸問題
第1章    なぜ「ゲートキーピング」はカリキュラム改革よりも重要なのか
第2章    社会科カリキュラムはこれまでどのように組織化されてきたか
第3章    教育のねらいの重要性
第4章    バランスのとれた柔軟なカリキュラムに向けて
第5章    教育方法
第6章    教育者を教育すること
第7章    実際なされているカリキュラムの重要性
付論1    社会科におけるゲートキーパーとしての教師
付論2    空カリキュラム―その理論的基礎と実践の示すものについて
付論3    社会科カリキュラムの正当性
訳者あとがき
本書の背景、本書の読み方(草原和博)
アメリカ社会科教育の動向に関する年表
アメリカ合衆国における各種社会系教科の公的カリキュラム計画の比較表

著者│author

スティーブン・J・ソーントン(Stephen J. Thornton)
南フロリダ大学教授。カリキュラム論、教授学習論から、教育史、思想史、教師教育論まで幅広く論ずる米国を代表する社会科教育研究者。デューイアンならびにゲートキーパー論の提唱者として知られる。

訳者│translators

渡部竜也(わたなべ・たつや)
日本語版のためのまえがき、謝辞、第3章、第4章、第6章、付論担当。
1976年、広島県生まれ。東京学芸大学教育学部講師。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了・博士(教育学)。本書に関係する著作として、「連載:大学の社会科教育研究よ、どこへ行く――研究者の暴走と現場の不満の間を埋める提案に向けて」(『社会科教育』明治図書、2011年4月号-2012年3月号)、「カリキュラム・授業理論と教師教育論の連続的探求の必要性――教科内容専門領域改革に向けた研究方法への提言:社会科を事例として」(『社会科教育研究』第110号、2010年)、「『授業研究』からみた社会科研究の方法論の国際化の課題――わが国の『規範科学』としての授業研究方法論:六つの展開」(『社会科教育論叢』第四八集、2012年)などがある。
山田秀和(やまだ・ひでかず)
第1章、第2章担当。
1975年、広島県生まれ。岡山大学大学院教育学研究科准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了・博士(教育学)。主著に『開かれた科学的社会認識形成をめざす歴史教育内容編成論の研究』(風間書房、2011年)、『新社会科教育学ハンドブック』(共著、明治図書、2012年)などがある。
田中伸(たなか・のぼる)
第5章、第7章担当。
1979年、神奈川県生まれ。大阪大谷大学教育学部講師。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了・博士(教育学)。主著に『現代アメリカ社会科の展開と構造』(風間書房、2011年)、『社会科教育学実践ハンドブック』(共著、明治図書、2011年)、「シティズンシップ教育実践の多様性とその原理――学習環境を規定する市民性意識の解明を通して」(『教育方法学研究』第36巻、2011年)などがある。
堀田諭(ほりた・さとる)
まえがき、序章担当。
1982年、石川県金沢市生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士後期課程在籍。東京成徳大学人文学部非常勤講師、目白研心中学校・高等学校非常勤講師ほか。

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