樋口一葉

物語論・言語行為論・ジェンダー

  • 笹川洋子(著)/2013年3月
  • 4000円(本体)/四六判上製456頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

物語論・言語行為論の視点を用いつつ、「花ごもり」から「われから」にいたる作品をとりあげ、女性への差別が日常的であった明治時代にあって、おどろくほど現代的なジェンダー意識をそなえていた一葉文学の謎にせまる。
(ISBN 9784861103483)
日本図書館協会選定図書

目次│indexs

はじめに―樋口一葉の生活世界
Ⅰ 物語論・言語行為論から読む樋口一葉
一 物語論・言語行為論の視座
二 物語行為論・言語行為論から読む「大つごもり」試論―少女のモラル・ジレンマ
Ⅱ 言語行為としてのジェンダーーみつめる女たち・うつむく男たち
一 「花ごもり」試論
二 「やみ夜」―意思決定に関わるジェンダー
三 「たけくらべ」―ジェンダーの構図の運動性
Ⅲ 葛藤するジェンダー―心の闇への眼差し
一 「軒もる月」をめぐる言語行為―心の「影」の世界への眼差し
二 言語行為から読む「にごりえ」試論―お力の苦悩と愛における心的二重性をめぐって
三 「十三夜」試論―ジェンダーと言語行為をめぐって
Ⅳ 行動としてのジェンダー―越境する女たち
一 「わかれ道」における身体性と言語行為の構図―反転するジェンダー
二 「裏紫」における言語行為の意味
三 「われから」におけるジェンダー観―言語行為の多層性を手がかりにして
おわりにー樋口一葉作品におけるジェンダー観の変遷

著者│author

笹川洋子(ささがわ・ようこ)
1953年生まれ。
東京大学大学院人文社会研究科社会学(B)専攻。博士課程単位取得退学。社会学修士。コミュニケーション論専攻。
現在、神戸親和女子大学文学部教授。
論文に、
「発語媒介行為の再考―日本人のコミュニケーションにおける発語媒介行為の意味」(1994)『マス・コミュニケーション研究44号』マス・コミュニケーション学会
「ジェンダーの視点からみた『花ごもり』『やみ夜』『たけくらべ』の言語行為について」(1998)『親和国文33号』神戸親和女子大学国語国文学会
などがある。

 

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