日中間戦争と中国人文学者

郁達夫、柯霊、陸蠡らをめぐって

  • 鈴木正夫/2014年7月
  • 3500円(本体)/四六判並製528頁
  • 装丁・レイアウト:矢萩多聞

日中戦争、太平洋戦争など十五年間の戦争に翻弄された中国人作家たちの生涯をたどる。
邦人文学者と交流を持ちながら、何者かに殺害された郁達夫(イクタップ)。憲兵隊に拘束された柯霊(カレイ)。いまだ行方不明のままの陸蠡(リクレイ)。対日戦時下、中国人の作家たちはいかに生きたのか? 著者による執念の調査が、命を賭した作家たちの気概を照らし出す。
(ISBN 9784861104114)

◆横浜市立大学新叢書「発刊の辞

目次|indexs

まえがき
第一部 郁達夫とその周辺の日中戦争
第一章 郁達夫と佐藤春夫―佐藤春夫の放送原稿「旧友に呼びかける」に即して
第二章 郁達夫被害に関する日中間の見解の相違について
第二部 日中戦争期上海における柯霊
第一章〝孤島〟上海の柯霊
第二章 抗日戦争期における柯霊の映画活動―上海の映画事情との関連で
第三章 淪陥期上海における柯霊の演劇活動と前期『万象』について
第四章 淪陥期上海における柯霊の『万象』の編集について
第五章 抗日戦勝利前後の柯霊―「獄中詩記」評釈、李健吾そして張愛玲
第三部 その他日中間戦争と中国人文学者
第一章 魯迅と日本人特務―そして上海内山書店
第二章 『麦と兵隊』と『生きている兵隊』の中国における反響に関する覚え書
第三章 陸蠡 人と作品―その記念のために
あとがき
初出一覧

著者|author

鈴木正夫(すずき・まさお)
横浜市立大学名誉教授。主に戦時中の中国人文学者について、フィールドワークをはじめとする研究を続けている。著書に『郁達夫 悲劇の時代作家』(研文出版)、『スマトラの郁達夫 太平洋戦争と中国作家』(東方書店)など。

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