待つしかない、か。

二十一世紀 身体と哲学

  • 木田元・竹内敏晴/2003年2月
  • 2200円(本体)/四六判・269頁

丁々発止の対論― 本当に「人間にできることは何もない」のか―。哲学と演劇、異なる分野で戦後日本をしぶとく生き抜いてきた両雄が、思想と身体、絶望と希望をめぐって激しく語る。
(ISBN 4921146586)

推薦の言葉

丁々発止の対論
この書は、ハイデッガー哲学研究の第一人者である超近代主義者の木田元氏と、田中正三を主人公とした劇の演出家であり、当然近代主義者である竹内敏晴氏との丁々発止の対論である。ときどき木田氏が近代主義者に、竹内氏が超近代主義者に変貌するところなど、まことにおもしろい。哲学の入門書としても有益であろう。
―梅原猛(哲学者)

目次|indexs

「戦後の終焉」
原爆が落ちてきたとき/テキ屋ぐらし/林竹二と斉藤信政/勉強の意味がわからない/からだがうごく/アナーキストのとまどい/ハイデガーを読む/だいじなことは後でわかる/やりたいことをやってきた/後ろ向きい歴史の中に入る/本当のドラマ、本当のアクション/メルロ=ポンティの衝撃/あらためて主体性について/思想と実践/主体性と存在了解/待つしかない
ことばがうまれるとき
言語発生の弁証法/「渾沌」からことばへ/「奇跡の人」の嘘
からだの文体
はずみを失うからだ/土地とことば/からだが読む/大学教育に欠けている視点/林竹二のこと/<他者>と出会う/教育癖
待つしかない、か。
ハイデガーの挫折/ハイデガーの「転回」/ハイデガーとベケット/丸山真男と「なる」の思想/外から来る価値を拒否する/ことばという壁/戻ったらオシマイ/理性とは何か/意識と間身体性/生きられる時間と均一的空間/形而上学の誕生
他者への呼びかけ
「私」がうまれる/身体のロゴス/呼びかける力が低下している/かかわりを嫌うからだ/実践 呼びかけのレッスン/ハンカチよ出てきてくれ
希望なき世紀に
からだをそだてる/理解はからだ/「まったくの他者」と生きる/さいごにのこるもの

著者|author

木田元(きだ・げん)
哲学者。近著に『マッハとニーチェ』『ハイデガー『存在と時間』の構築』など。訳書多数。
竹内敏晴(たけうち・としはる)
演出家。近著に『思想するからだ』『癒える力』など。

担当編集者から

いつもはテキトーに流して話す(笑 師匠スイマセン)木田先生だが、竹内さんの鋭い質問に思わず本気になった。
巨匠二人の激突、編集していて手に汗にぎった! さぁその軍配やいかに!?[-内藤-]

 

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〔品切重版未定〕