朝鮮儒学の巨匠たち
- 韓亨祚(著)・片岡龍(監・解説)・朴福美(訳)/2016年6月
- 5500円(本体)・A5判上製・372頁
- 装丁:桂川潤
21世紀を生きるための儒教の根源を求めて
儒学の本質を「生の技術」=「精神の偉大な作品(=人間)に関わる熟練した技術」ととらえる著者が、中国、日本の儒学と通底しつつ独自の発展を遂げた朝鮮儒学を、その巨匠たちの思想を辿りながら跡づける。
(ISBN 9784861105005)
目次|indexes
日本語版への序言
はじめに
16世紀 百花の庭園
1章 1554年 金剛山、若き栗谷とある老僧との対話
2章 退渓の『聖学十図』、朱子学の設計図
3章 南冥・曺植、刀を帯びた儒学者
17世紀 哲学的な激突とその深まり
4章 人物性同異論の論点と解き方
18世紀 上からの改革論
5章 君師正祖、再び朱子学を高く歌う
6章 朱子学と茶山、そして西学が分かれる所
7章 実学、或いはゆらぐ理学の城砦
19世紀 道学の守護者たち
8章 韓末の儒学の選択、抵抗または隠遁
20世紀 地球共同体に向かう夢
9章 恵岡・崔漢綺の気学
解説 朝鮮儒学の現代的意義
付録1 室名別号索引
付録2 人物生没年
付録3 朝鮮王朝歴代王一覧表
付録4 思想用語解説
付録5 成語出典表
本文索引
著者|author
韓 亨祚(ハン・ヒョンジョ)
韓国・東海岸にある盈徳郡江口面(慶尚南道)に生まれる。ソウル大学哲学科卒業。韓国精神文化研究院(現、韓国学中央研究院)、韓国学大学院、哲学博士。現在、韓国学中央研究院教授。専攻は古典漢学、哲学。
主な著書に『中高生のための古典成語講義』(文学村 、1997)、『韓亨祚教授の金剛教講義』全2巻(文学村、2011)など。韓国語への訳書に鎌田茂雄『華厳の思想』高麗院、1987年(原著は講談社1983年)などがある。
監修者|editorial supervisor
片岡 龍(かたおか・りゅう)
1965年、広島県生まれ。東北大学文学研究科准教授。専門は日本思想史・東アジア比較思想。早稲田大学卒業後、同大学院で東洋哲学を専攻。韓国・淑明女子大学講師などを経て現職。近年は特に東アジア発の公共哲学・生命思想に関心を深めている。
編著書に『日本思想史ハンドブック』(新書館、2008)、『公共する人間1 伊藤仁斎』、『公共する人間2 石田梅岩』(ともに東京大学出版会)などがある。
訳者|translator
朴福美(パク・ポンミ)
1943年、鹿児島県・山川生まれ。1994年韓国高麗大学校大学院・国語国文科碩士取得。埼玉県川口市で20年近く私的な韓国語教室を主宰している。
翻訳書に『新女性を生きよ』(梨の木舎、1999)(原書は朴婉緒『あのあふれていたシンアは誰が食べつくしたのか』ソウル・熊津出版1992年)がある。