異文化理解とパフォーマンス

Border Crossers

  • 松田幸子、笹山敬輔、姚紅(編著)/2016年7月
  • 4500円(本体)・A5判並製・504頁
  • 装丁:矢萩多聞

在日朝鮮人文学、新劇とアイドルヲタク、明治のドストエフスキー翻訳、初期安部公房の詩、アジアにおけるシェイクスピア受容…
「上演」「実践」としての「パフォーマンス」概念を鍵に、ジャンル、時代、民族、地域、言語、性を超えた地平をめざす挑戦的論集。
パフォーマンス学者ブライアン・レノルズのシェイクスピア論収録!
(ISBN 9784861104992)

目次|indexs

はじめに (浜名恵美)
Ⅰ. 近代演劇・パフォーマンスと越境

1. 1926年13代守田勘彌の中国公演について(姚紅)
2. 「日本の中の小さな朝鮮」への郷愁―姜魏堂「つぼや盛衰記」における「高麗人」の歴史(松田幸子)
3. はるみと蘭奢(笹山敬輔)
4. 戦後日本における『春香伝』受容の一断面―『歌劇 春香』を中心に(黄益九)
5. 朝鮮の演劇人咸世徳と国民演劇という舞台(金牡蘭)
Ⅱ. 近代日本と越境する表象
6. 国木田独歩の養子反対論と「不自然」な家族(ラージ・ラキ・セン)
7. 桜田文吾『貧天地飢寒窟探検記』の貧困表象(加賀谷真澄)
8. 『罪と罰』とその未完の翻訳にみる、ジャンル生成時の混淆(加藤百合)
9. 「魚」から「女性」へ―20世紀初頭の日本における人魚表象をめぐって(平石典子)
Ⅲ. 異文化・他者・テキスト
10. 安部公房「詩人の生涯」と『詩集下丸子』―「糸車」・「老婆」・「詩人」の解釈をめぐって(江口真規)
11. ウィンスロップ父子とニューヨーク―ピューリタンにおける〈他者〉としての「オランダ」研究序説(佐藤憲一)
12. 慈雲尊者最晩年期の密教思想―『理趣経講義』から『法華陀羅尼略解』へ(秋山学)
13. 「虚無」なんてくそくらえだ」―平石貴樹「虹のカマクーラ」試論(齋藤一)
14. ムルド・フェラウン、歪められた作家像の再検討のために―E・ロブレスとの関係を中心に(青柳悦子)
Ⅳ. シェイクスピアと越境
15. どうして旅回りなんかしている? 都にいたほうが人気も儲けも上がるだろうに―西洋人巡業劇団によるシェイクスピア上演(小林かおり)
16. シェイクスピア翻案劇『オセロ』と植民地台湾―1910年代『臺灣日日新報』を中心に(呉佩珍)
17. これ、シェイクスピア、マジで?(吉原ゆかり)
18. 攪乱的女性身体―柿食う客「女体シェイクスピア」試論(エグリントンみか)
19. 現代のシェイクスピア上演における「異性配役」の可能性―登場人物の造形と観客反応(末松美知子)
20. アロ・リアリズムと内延的・外延的シェイクスピア―トランスヴァーサル・シアター・カンパニーによる『マクベス』・『ロミオとジュリエット』・『タイタス・アンドロニカス』(ブライアン・レノルズ、サミュエル・コロデッシュ/訳:松田幸子)

編者|editor

松田幸子(まつだ・よしこ)
高崎健康福祉大学講師。「フレッチャー作『ボンデューカ』における空虚な〈武勇〉」(Shakespeare Journal, 2016)等
笹山敬輔(ささやま・けいすけ)
演劇研究者。『幻の近代アイドル史』(彩流社、2014)、『昭和芸人 七人の最期』(文藝春秋、2016)等
姚紅(よう・こう)
白百合女子大学言語・文学研究センター研究員。日本比較文学会編『越境する言の葉』(彩流社、2011)等

お詫びと訂正

本書について以下の訂正がございます。ご迷惑をおかけしたことを深くお詫び申し上げます。

第20章「アロ・リアリズムと内延的・外延的シェイクスピア―トランスヴァーサル・シアター・カンパニーによる『マクベス』・『ロミオとジュリエット』・『タイタス・アンドロニカス』」ブライアン・レノルズ(目次3頁、本文458頁)は、正しくはブライアン・レノルズ、サミュエル・コロデッシュ共著となります。著者のお二人ならびに読者の皆様に謹んでお詫びして訂正いたします。

共著者のサミュエル・コロデッシュ氏の経歴は以下の通りです。

サミュエル・コロデッシュ(Samuel Kolodezh)
カリフォルニア大学アーヴァイン校 博士課程 演劇学専攻

松田幸子(まつだ・よしこ)高崎健康福祉大学講師。「フレッチャー作『ボンデューカ』における空虚な〈武勇〉」(Shakespeare Journal, 2016)等

 

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