当事者が支援する

薬物依存からの回復 ダルクの日々パート2

  • 南保輔、中村英代、相良翔(編)/2018年2月
  • 2000円(本体)/四六判並製272頁
  • 装丁・レイアウト:大橋一毅

なぜ薬物に依存するのか? 薬物依存からの回復とは何か?
薬物依存からの回復支援施設 ダルク(DARC: Drug Addiction Rehabilitation Center)。
ダルクのスタッフは原則全員が薬物依存経験者である。
依存に苦しむ人を隣で支える若手スタッフから、スタッフ歴20年を超え、施設運営に関わるベテランまで、新たな仲間を支援しながら自らの回復をつむぐ、ダルクスタッフ11名のライフヒストリー集。
(ISBN 9784861105845)

目次|contents

はじめに―すべては共感から始まる 中村英代
ダルクとNA / NAの12ステップ 中村英代

序章 当事者が支援する―共感の環をむすぶ 南保輔

Ⅰ 若手スタッフ編
第1章 なんでとまったかよくわからない
(Aさん/40代/男性/覚せい剤/クリーン歴10年/スタッフ歴4年)
第2章 自然体で生きる 森一平
(Bさん/ 50代/男性/気管支拡張剤/クリーン歴13年/スタッフ歴4年)
第3章 先は見えないが今は居心地がいい 南保輔
(Cさん/40代/男性/咳止め薬/クリーン歴4年/スタッフ歴2年)

Ⅱ 中堅スタッフ編
第4章 裸の自分と向き合う 森一平
(Dさん/ 50代/男性/咳止め薬/クリーン歴9年/スタッフ歴6年)
第5章 昔いた場所にメッセージを運ぶ 伊藤秀樹
(Eさん/40代/男性/アルコール・咳止め薬/クリーン歴8年/スタッフ歴6年)
第6章 生き方を探りつづけて 相良翔
(Fさん/ 30代/男性/覚せい剤・睡眠薬/クリーン歴1年未満/スタッフ歴2年)

Ⅲ ベテランスタッフ編
第7章 回復はつまらない 相良翔
(Gさん/40代/男性/咳止め薬/クリーン歴23年/スタッフ歴21年)
第8章 あるとき「あっもうぜんぶどうでもいいや」と思った 南保輔
(Hさん/ 60代/男性/覚せい剤/クリーン歴24年/スタッフ歴24年)
第9章 職員が入寮者の足を引っぱることがないように 中村英代
(Iさん/男性/ 50代/シンナー/クリーン歴24年/スタッフ歴24年)
第10章 君が地元にダルクを作ったら素晴らしいね 中村英代
(Jさん/男性/40代/覚せい剤/クリーン歴20年/スタッフ歴9年)
第11章 いつか誰かに「いっしょにやっていこう」と言いたい 南保輔
(Kさん/ 50代/男性/覚せい剤/クリーン歴19年/ボランティアスタッフ歴10年)

用語解説
おわりに―誰もが生きやすい社会へ 相良翔

編者|editor

南保輔(みなみ・やすすけ)
現在、成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科教員。著書に『海外帰国子女のアイデンティティ―生活経験と通文化的人間形成』(単著,恒星社厚生閣,2000年)。論文に「薬物使用経験を『わかる』の3基盤―「矯正教育プログラム(薬物非行)」の質的分析」(『コミュニケーション紀要』26: 1-30, 2015年),「引用発話・再演・リハーサル―フレームの複合性と経験の自在性」(中河伸俊ほか編『触発するゴフマン―やりとりの秩序の社会学』新曜社,148-157, 2015年)など。

中村英代(なかむら・ひでよ)
現在、日本大学文理学部社会学科教員。著書に『社会学ドリル―この理不尽な世界の片隅で』(単著,新曜社,2017年),『摂食障害の語り―〈回復〉の臨床社会学』(単著,新曜社,2011年)。論文に「『ひとつの変数の最大化』を抑制する共同体としてのダルク―薬物依存からの回復支援施設の社会学的考察」(『社会学評論』66(1): 498-515,2016年)など。

相良翔(さがら・しょう)
現在、埼玉県立大学保健医療福祉学部助教。著書に『現代社会論―社会学で探る私たちの生き方』(共著,有斐閣,2015年)など。論文に「ダルクにおける薬物依存からの回復に関する社会学的考察―『今日一日』に焦点をおいて」(『福祉社会学研究』10: 148-170,2013年)「薬物依存からの『回復』に向けた契機としてのスリップ―ダルク在所者へのインタビュー調査から」(『保健医療社会学論集』25(2): 63-72,2015年)など。

著者|author

森一平(もり・いっぺい)
現在、帝京大学教育学部教員。著書に『概念分析の社会学2―実践の社会的論理』(分担執筆,ナカニシヤ出版,2016年),論文に「授業会話における発言順番の配分と取得―『一斉発話』と『挙手』を含んだ会話の検討」(『教育社会学研究』94: 153-172,2014年)など。

伊藤秀樹(いとう・ひでき)
現在、東京学芸大学教育学部教員。著書に『高等専修学校における適応と進路―後期中等教育のセーフティネット』(単著,東信堂,2017年),『ライフデザインと希望』(分担執筆,勁草書房,2017年)など。論文に「薬物依存からの『回復』と『仲間』―ダルクにおける生活を通した『欲求』の解消」(相良翔と共著,『年報社会学論集』(29): 92-103,2016年)など。

 

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