海と陸の織りなす世界史

港市と内陸社会

  • 弘末雅士(編)/2018年3月
  • 3000円(本体)/四六判上製356頁
  • 装丁:毛利一枝

古代エジプトから現代のシアトル・バンクーバーにいたるまで、
海域と陸域の多様な関係と人びとの交流の諸相をたどり、広域ネットワークと地域社会の成立過程を明らかにする。
(ISBN 9784861105920)

目次|contents

総説(弘末雅士)
第Ⅰ部 河川がつなぐ海と陸
第1章 古代エジプトの河川を軸とした物流と国際関係推転のダイナミズム(髙橋秀樹)
第2章 アッバース朝期バグダードの水運と世界認識―水上都市バグダード序論(清水和裕)
第3章 タカラガイの路―ベンガル湾から雲南へ(上田信)
第4章 奴綿花の道―エーヤーワディー川が結ぶベンガル湾・ビルマ・雲南(渡邊佳成)
第Ⅱ部 近世の海域世界と国家
第5章 明代中国の辺防官制における海と陸(荷見守義)
第6章 長崎の唐人屋敷の設置はなぜ、17世紀末までずれこんだのか?―近世日本国際関係論の一階梯として(荒野泰典)
第7章 「植民地港市」ナーガパッティナムの形成―近世コロマンデル海岸と南インド内陸社会(和田郁子)
第8章 「熱帯のバビロン」から「熱帯のヴェルサイユ」へ―ブラジルの形成と港市(疇谷憲洋)
第9章 近世ロンドンと内陸後背地(唐澤達之)
第Ⅲ部 近代移行期の港市と内陸社会
第10章 月より来たる隊商―一九世紀アフリカ東部の長距離キャラヴァンの成立と交易者の世界(鈴木英明)
第11章 西アジアのキャラバン・ルートと巡礼者(守川知子)
第12章 近代移行期のスマトラ島の港市と後背地―仲介役の変容と帰属意識(弘末雅士)
第13章 イタリア・イレデンタ運動とトリエステ住民(佐々木洋子)
第Ⅳ部 国民国家にとっての海と陸
第14章 過渡期のインド像―一九世紀中葉のカルカッタ知識人の故国を見る眼差し(中里成章)
第15章 中国テレビ番組「河殤」に見える文明・地理史観の来源(石川禎浩)
第16章 北米北西部沿岸地方における地域アイデンティティ表象と先住民文化―シアトル・バンクーバーについての試論(土田映子)
第17章 東・南部アフリカ=東南アジア地域の都市と後背地―港市概念を移動の視点から点検する(栗田和明)

編者| editor

弘末雅士(ひろすえ・まさし)
立教大学文学部教授/専門領域:海域東南アジア史
主要業績:『東南アジアの建国神話』(山川出版社、2003年)、『東南アジアの港市世界』(岩波書店、2004年)、『人喰いの社会史』(山川出版社、2014年)等

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