律から密へ

晩年の慈雲尊者

  • 秋山学(著)/2018年5月
  • 5500円(本体)/A5判上製400頁
  • 装丁:毛利一枝

江戸時代の真言宗の高僧、慈雲尊者飲光はいかに『妙法蓮華経』を受容したのか。
直筆本『法華陀羅尼略解』をもとにその思想を再検討。慈雲における密教と顕教の合一を明らかにする。
(ISBN 9784861106002)

目次|contents

序章 『法華陀羅尼略解』─解題と翻刻
第1部 正法律と天台
第1章 慈雲の法統─「正法律」の位置づけをめぐって
第2章 慈雲尊者と戒律の系譜─筑波大学所蔵・慈雲自筆本『法華陀羅尼略解』を基に
第3章 慈雲と天台僧たち─『法華陀羅尼略解』の位置づけをめぐって
第2部 禅・儒教と神道・有部律・唯識学
第4章 菩薩戒と『摩訶止観』─慈雲と天台思想の関係をめぐって
第5章 慈雲尊者による儒教理解─『神儒偶談』『法華陀羅尼略解』『雙龍大和上垂示』を手がかりに
第6章 義浄と慈雲尊者─有部律から四分律へ、そして正法律へ
第7章 慈雲尊者の無表論─『表無表章随文釈』を中心に
第3部 密教思想
第8章 慈雲尊者最晩年期の密教思想─『理趣経講義』から『法華陀羅尼略解』へ
第9章 「五悔」から「五秘密」へ─慈雲著『金剛薩埵修行儀軌私記』(1802年)の位置づけをめぐって
第10章 『大日経疏』から一切義成就菩薩へ─晩年の慈雲による「法華陀羅尼」注疏の経緯
結章 『法華陀羅尼略解』の特質と意義

著者| author

秋山学(あきやま・まなぶ)
1963年生まれ。筑波大学人文社会系教授。
「ラテン語とフランス語―古典作品を素材に(一)~(二四)」『ふらんす』白水社、2014年4月-2016年3月
『慈雲尊者と悉曇学―自筆本『法華陀羅尼略解』と「梵学津梁」の世界』筑波大学、2010年
『ハンガリーのギリシア・カトリック教会―伝承と展望』創文社、2010年
『教父と古典解釈―予型論の射程』創文社、2001年

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