共同体による自己形成

教育と政治のプラグマティズムへ

  • 生澤繁樹(著)/2019年3月
  • 5500円(本体)/A5判上製528頁
  • 装丁:桂川潤

「自己」と「共同体」との和解や調停をめざす共同体論的転回は、どうしてデューイに回帰することになるのだろうか。「共同体」に定位した社会・政治哲学の語り口が教育の領域においていかなる意味をもちどのように論じられてきたかを論究する。
(ISBN 9784861106415)

目次|contents

序論 課題と方法
第Ⅰ部 共同体論的転回の教育学的諸帰結―社会正義と文化的多元性の擁護
第一章 民主教育のディレンマ―「包摂」と「排除」の力学
第二章 正義の「中断」から再接続に向けて
第三章 共同体論的転回の諸帰結―教育の平等と社会的財の射程
第Ⅱ部 共同体による自己の形成の諸相―自己解釈、言語、文化的差異
第四章 自己形成の視点とその解釈学的構図
第五章 近代ロマン主義的個性観念と「反-自然主義」の自己形成論
第六章 デューイとテイラー―「共同体主義的自由主義」の共同体論
第Ⅲ部 プラグマティズムへの回帰?―共同体主義の批判的再定義
第七章 共同体論的転回のなかのデューイ再解釈
第八章 デューイの教育思想と「反-反基礎づけ主義」
第九章 文化の伝達とコミュニケーションの再編成
結論 共同体による自己形成と共同体主義の課題
初出一覧
あとがき
文献一覧
索引

著者|author

生澤繁樹(いざわ・しげき)
1977年生まれ。名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士課程後期課程単位取得満期退学。博士(教育学)。専攻は、教育哲学、教育思想史、人間形成論。著書に『日本のデューイ研究と21世紀の課題』(分担執筆、世界思想社、2010年)、『道徳教育論』(分担執筆、一藝社、2014年)、『教育と学びの原理』(分担執筆、名古屋大学出版会、2015年)、『現代の学校を読み解く』(分担執筆、春風社、2016年)、『教育経営論』(分担執筆、学文社、2017年)、『道徳教育』(分担執筆、ミネルヴァ書房、近刊)、『教育哲学のデューイ』(分担執筆、東信堂、近刊)、『政治において正しいとはどういうことか?』(分担執筆、勁草書房、近刊)ほか。

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