移動する女性たち

海外の日本語教育と国際ボランティアの周辺

  • 平畑奈美(著)/2019年3月
  • 3241円(本体)/A5判並製280頁
  • 装丁:桂川潤

海を渡る「日本語教師」という幻想と実像―彼女らの語りから見えてくる問題の本質とは?
8割が女性という日本語教師だが、その実像について語られることは少ない。彼女たちはどのように海外での日本語教育を支え、その後どのような人生を送っているのか。日本語教師を取り巻く環境と課題を、青年海外協力隊・日本語教育隊員経験者へのアンケート調査、および4人の女性のライフヒストリーをもとに明らかにする。
(ISBN 9784861106385)

目次|contents

はじめに
第Ⅰ部 国策としての日本語教育の周辺
第1章 外国人大量受入れ時代の到来
第2章 日本語教育と日本語教師養成の現状
第3章 顕在化する日本語教師不足
第Ⅱ部 日本から切り離される日本語教師―青年海外協力隊日本語教育隊員の視点
第1章 青年海外協力隊について
第2章 青年海外協力隊日本語教育隊員の意識と職業観
第3章 開発協力の中の日本語教育の矛盾―青年海外協力隊日本語教育隊員たちの語りから
第4章 揺れ動く「国際協力の意義」の中で
第Ⅲ部 日本語で移動する女性たち―その人生とキャリアの語り
第1章 「海外渡航する日本女性」をめぐって
第2章 太平洋島嶼国の日本語教師から技術系企業社員へ
第3章 日本語教育の職人として
第4章 「言語の格差」と「二重の不在」の中で
第5章 世界を渡り歩く日本語専門家として
第Ⅳ部 海外を目指す若い日本語教師のキャリア形成支援のために
第1章 移動する日本語教師の語りに見る「キャリア形成」支援の手がかり
第2章 日本語教師の「専門性」をめぐる小論―英語偏重教育の影の中で
結びにかえて
初出/引用文献一覧

著者|author

平畑奈美(ひらはた・なみ)
東洋大学文学部国際文化コミュニケーション学科准教授。筑波大学第二学群人間学類心理学専攻卒。早稲田大学大学院日本語教育研究科修士課程、博士後期課程修了。博士(日本語教育)。
1998年から2004年まで、国際交流基金・日本外交協会よりNIS日本語教育専門家として、タシケント国立東洋学大学(ウズベキスタン)、キエフ国立大学(ウクライナ)、バクー国立大学(アゼルバイジャン)、モスクワ国立大学(ロシア)に派遣。中国帰国者定着促進センター、東京大学大学院工学系研究科日本語教育部門、滋賀大学国際センター准教授を経て、現在に至る。
著書に『ネイティブとよばれる日本語教師』(春風社、2014年)がある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する