村上春樹 精神の病と癒し

  • 南富鎭(著)/2019年6月
  • 2700円(本体)/四六判上製360頁
  • 装丁:桂川潤

精神の病は不可逆である。一九七〇年と一九七三年にいったい何があったのだろう。(本文より)
病理は文化現象であるとの認識に基づき、村上春樹の文学を精神の病と癒しの側面から読み解く。
(ISBN 9784861106521)

目次|contents

はしがき
第1章 夢現象、青年期の危機、欠損―『納屋を焼く』『風の歌を聴け』『1973年のピンボール』
第2章 発病、精神科医、風景構成法―『中国行きのスロウ・ボート』『めくらやなぎと眠る女』
第3章 自閉、二つの世界、三つの主体―『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』
第4章 自己消失、アイデンティティ、旅路説―『象』『ピクニック』『象の消滅』『鏡』
第5章 徴候、予感、発作、病の不可逆―『パン屋襲撃』『パン屋再襲撃』
第6章 分裂症、森田療法、反精神医学、旅路の始まり―『ノルウェイの森』
第7章 幻覚、有徴、無徴、ブラックホール―『羊をめぐる冒険』『ダンス・ダンス・ダンス』
第8章 象の帰還、宗教妄想、恩寵、不在の暴力性、対象喪失―『ねじまき鳥クロニクル』
第9章 旅路の終焉、物語の産屋、治癒の陥穽―『アンダーグラウンド』『underground 2』
あとがき
人名索引

著者| author

南富鎭(Nam Bujin)
1961年韓国醴泉生まれ。慶北大学校国語国文学科卒業。国語(韓国語)教諭。1990年日本文部省国費留学生として来日。筑波大学大学院文芸・言語研究科博士課程修了。博士(学術)。日本学術振興会外国人特別研究員。現在、静岡大学人文社会科学部教授。
主要著書『近代日本と朝鮮人像の形成』(勉誠出版、2002年)、『文学の植民地主義―近代朝鮮の風景と記憶』(世界思想社、2006年)、『松本清張の葉脈』(春風社、2017年)など。

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