主権者教育論

学校カリキュラム・学力・教師

  • 渡部竜也(著)/2019年9月
  • 4500円(本体)/A5判上製540頁
  • 装丁:桂川潤

自らを活かし社会に意見を提言できる市民としての主権者を育むために、公教育は何をすべきか?
学校教育における「社会系」教科の課題を、授業・カリキュラム構想、学力の在り方、教師の専門性といった観点から、日本とアメリカの教育理念・実践をもとに検討。社会科教育が民主社会において培うべき各々の見解の多元性を捉え直し、その意義と展望を具に提示する。★2刷出来
(ISBN 9784861106484)

目次|contents

まえがき
第1部 アメリカの社会科の歩みが教えてくれる学校教育での主権者育成の条件
第1章 社会に建設的に参画できる市民を作る――社会問題中心の統合カリキュラム
第2部 教師による主体的なカリキュラム調整または創造の重要性
第2章 ゲートキーパーとしての教師――学習指導要領を生かすも殺すも個々の教師次第
第3章 カリキュラム・マネジメント①
第4章 カリキュラム・マネジメント②
第5章 主権者教育として見た時の学習指導要領「社会」
第3部 なぜ教師は大学で社会科教育学を学ぶ必要があるのか?
第6章 アメリカの社会科教育研究史――主権者を生み出す学校カリキュラムの在り方とその作成主体をめぐる議論
第7章 日本の社会科教育研究史――学習指導要領の実行からラディカルな授業構想に向けた議論へ
第8章 日米の社会科教育研究の共通性と差異――ねらいについての議論(aim-talk)を重視する姿勢とそのやり方
第9章 一般の教師と研究者の授業を見る視点の違い①
第10章 一般の教師と研究者の授業を見る視点の違い②
第11章 主権者教育の議論が困難な教育学研究について――内容からだけの議論でも方法からだけの議論でも不十分
第12章 社会科教育研究の学習科学化問題―主権者教育研究の危機的状況
第4部 主権者に必要とされる学力とは
第13章 池野範男の学力論
第14章 真正の学び/学力と主権者教育
第15章 真正の学力の評価か、学力の真正の評価か
第16章 標準化された学力を真正の学力に転換する試み
第5部 根源的かつ創造的なカリキュラムと授業開発の重要性
第17章 ハーバード社会科に学ぶ
第18章 主権者教育の根源的な問いかけからの授業構想
第6部 主権者を育成できる教師の教育
第19章 大学教師教育カリキュラム構想――ビジョンを育てることを目指す教師教育
第20章 教師教育構想の効果と課題
第21章 教師にとって学科内容の学びとは何か
あとがき
索引

著者|author

渡部竜也(わたなべ・たつや)
東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程後期修了。博士(教育学)。専門は社会科教育学、カリキュラム論、授業設計論、教師教育、社会改造主義教育研究。主な著訳書に『歴史的思考――その不自然な行為』(サム・ワインバーグ著、監訳、春風社、2017年)、『真正の学び/学力――質の高い知をめぐる学校再建』(フレッド・M・ニューマン著、共訳、春風社、2017年)、『コモン・グッドのための歴史教育――社会文化的アプローチ』(キース・C・バートン、リンダ・S・レヴスティク著、共訳、春風社、2015年)、『アメリカ社会科における価値学習の展開と構造――民主主義社会形成のための教育改革の可能性』(風間書房、2015年)、『“国境・国土・領土”教育の論点・争点――過去に学び、世界に学び、未来を拓く社会科授業の新提案』(共編著、明治図書出版、2014年)、『教師のゲートキーピング――主体的な学習者を生む社会科カリキュラムに向けて』(スティーブン・J・ソーントン著、共訳、春風社、2012年)。

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