依存からひろがる人生機会

インド・スラム地域の人間開発と「子育ての民主化」

  • 茶谷智之(著)/2020年2月
  • 3700円(本体)/A5判上製296頁
  • 装丁:矢萩多聞

人とまじわり機会(チャンス)が生まれる
子どもによい教育を受けさせたい――子どもにはよい仕事に就いてほしい――
大都市デリーの「豊かな」生活のそばで、スラムに暮らす人々が抱く切実な願い。しかし、その望みを叶えることは容易ではない。個人ではどうすることもできない困難に立ち向かうとき、手当たり次第に他者に頼る姿がそこにはあった。日常的な試行錯誤が子どもの未来を少しずつひらく、新しい「民主化」のかたち。
(ISBN 9784861106774)

目次|contents

はじめに

序章 子育てと民主主義の分断
第1節 開発と政治
第2節 開発と貧困

第1章 貧困を抱えて生きる―大都市デリーのスラムと子育ての困難
第1節 都市スラムの輪郭
第2節 スラムに暮らす
第3節 スラムで子どもを育てる
第4節 スラムから移住する

第2章 「子育ての民主化」と政策―就学前教育施策の改革を求める貧困者の声
第1節 保育事業ができるまで
第2節 貧困対策としての政府主導型保育事業
第3節 政府主導から官民連携化へ
第4節 貧困者の声の恣意的な利用

第3章 「子育ての民主化」と市民社会―貧困者の声の反映をめざすNGOの実際の働き
第1節 子どもの権利保護の仕組みとNGO
第2節 NGO職員の政治性
第3節 子どもの権利擁護と住民ワーカーの働き
第4節 声の代弁からつながりの拡充へ

第4章 「子育ての民主化」と地域社会―生活環境改善に向けて「手配」する
第1節 衛生や安全意識の高まり
第2節 スラムに散在する多様な関係性
第3節 地域手配力を通じた生活環境改善への取り組み
第4節 他者に媒介されて広がる要望の実現可能性

第5章 「子育ての民主化」と人生機会―よりよい教育を求める貧困家庭のあいだの格差
第1節 スラムにおける教育熱の高まり
第2節 スラムを取り巻く教育環境の変化
第3節 保護者の期待を変容させる地域手配力
第4節 試行的依存がもたらす教育機会の差異

終章 子育てと民主主義がつながるとき
第1節 「子育ての民主化」の様相とは
第2節 スラム住民にとってのキャパシティはいかに高まるのか
第3節 スラム住民にとっての「正当」とは

あとがき
参考文献

著者|author

茶谷智之(ちゃや・ともゆき)
1986年、札幌生まれ。北海道大学法学部卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了。博士(地域研究)。日本学術振興会特別研究員等を経て、現在、松本短期大学幼児保育学科助教。専門は文化人類学、南アジア地域研究。

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