開発と文化における民衆参加

タンザニアの内発的発展の条件

  • 阪本公美子(著)/2020年2月
  • 4500円(本体)/A5判並製520頁
  • 装丁:矢萩多聞

文化は開発の障害か? 内発的発展はいかにして可能か?
開発と文化をめぐる先行研究を理論的に整理したうえで、タンザニアの「貧困」地域であるリンディ州におけるフィールド調査によって両者の関係を多面的に分析。
地元民衆の文化、開発過程参加が重視されない外発的な開発事業は失敗に終わり、民衆の主体性、主動性、内発性を重視した開発こそが社会開発の要件であると論じる。
(ISBN 9784861106767)

目次|contents

まえがき

序章 社会開発、文化、そして参加
1 背景
2 主要専門用語の定義
3 主題の設定
4 研究対象
5 情報源と方法論

第Ⅰ部 タンザニアにおける開発と文化を再考する
第1章 「開発」概念の再検討と「文化」の役割
1 「開発」の歴史
2 「文化」と開発―先行研究の検討
3 タンザニアにおける「開発」と「文化」
4 結論

第2章 タンザニアにおける「文化」の創出とその多様性
1 生態システムと内発的過程
2 「スワヒリ文化」―アラブ世界との交易から
3 「部族」文化と国民文化―植民地化と独立
4 リンディ州における「文化」とアイデンティティの多様性と諸層
5 結論

第Ⅱ部 タンザニアにおける内発的な視点に基づく社会開発
1 はじめに
2 社会開発に参加する場

第3章 タンザニアの諸政策にみる内発性と社会開発
1 ウジャマー政策時代
2 構造調整時代
3 貧困削減と自由化促進時代
4 社会開発の地理的格差とその原因
5 結論

第4章 開発と文化における民衆参加―リンディ州における人びとの多様な主体性の視点から
1 研究対象地域
2 開発・発展と文化との関係
3 「開発・発展」と「文化」を活用した参加
4 結論

終章 タンザニアにおける内発的発展に向けて
1 まとめ
2 主体の役割―内発的な視点をともなう発展戦略
3 結論―内発的な社会開発のための条件

参考文献
索引

著者|author

阪本公美子(さかもと・くみこ)
宇都宮大学国際学部准教授。
早稲田大学大学院アジア太平洋研究科博士課程修了、博士(学術)。ユニセフ及びUNDPタンザニア事務所勤務勤務、早稲田大学助手等を経て、現職。
主な単著に、本書の英文原著であるSocial Development, Culture, and Participation: Toward theorizing endogenous development in Tanzania(春風社、2009)、Factors Influencing Child Survival in Tanzania: Comparative analysis of diverse deprived rural villages (Springer, 2020)。共編著に、『新生アフリカの内発的発展―住民自立と支援』(昭和堂、2014)、『SDGs時代のグローバル開発協力論』(明石書店、2019)。

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