環境を批評する

英米系環境美学の展開

  • 青田麻未(著)/2020年8月
  • 4000円(本体)/四六判並製324頁
  • 装丁:中島衣美
  • 装画:門眞妙

環境を美的に見ることはいかにして可能か?
なぜ私たちは環境について語り合うのか?

1970年代、環境保護思想の高まりとともに始まった英米系環境美学
代表的な環境美学者であるカールソンを始めとする諸学説を批評理論として読み直し、常に我々を取り巻き変化し続ける環境に対する美学的アプローチを考察する。
(ISBN 9784861106989)

目次|contents


第1章 環境としての世界とその批評―英米系環境美学とはなにか
第1節 美学からの環境へのアプローチ
第2節 英米系環境美学のスタイル

第2章 知識による美的鑑賞の変容―カールソンの環境美学
第1節 ネイチャーライティングと環境批評家
第2節 知識によって支えられる環境批評
第3節 影を潜める主体―カールソンの達成点と問題点

第3章 諸説の再配置―環境批評理論としての評価
第1節 認知モデル/非認知モデル、そしてそのボーダーライン
第2節 環境の批評はできない―ゴドロヴィッチ、キャロル、バッドとフィッシャー
第3節 環境を批評する―サイトウ、バーリアント、ブレイディ

第4章 フレームをつくる―鑑賞対象の選択と参与の美学
第1節 バーリアントの参与の美学とその展開可能性
第2節 ミクロな変化のフレーミング―個別の活動と統括的活動
第3節 美的鑑賞の始まりはどこか―美的快の源泉としてのフレーミング

第5章 観光と居住―統括的活動とフレーミング
第1節 行って帰ってくる―観光と居住の円環構造
第2節 観光という統括的活動―ずれては重なるフレーム
第3節 居住という統括的活動―時間的厚みのあるフレーム

第6章 環境批評家とはだれか―美的判断の規範性
第1節 ブレイディによる規範性の再定義
第2節 コミュニケーションと規範の生成
第3節 批評家たちの協働―環境の漸進的な把握のために


あとがき
参考文献
人名索引
事項索引

お詫びと訂正

本文中に編集上の不手際で以下のような誤りが生じました。謹んでお詫びして訂正いたします。

第4章181頁7行目 〈2〉→削除
第5章208頁16行目 〈5〉→削除 以下、226頁18行目〈23〉まで、注を一つずつ前にずらす。

著者|author

青田麻未(あおた・まみ)
一九八九年、神奈川県生まれ。専門は環境美学・日常美学。
東京大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。現在、日本学術振興会特別研究員PD(成城大学)。
主な論文に、「環境の時間変化と鑑賞―参与を伴う活動によるフレームの構築」(『美学』70(2)、二〇一九年)、「動物の美的価値―擬人化と人間中心主義の関係から」(『美学芸術学研究』37、二〇一九年)、「アレン・カールソンのリーディングリスト―現代英米圏環境美学におけるネイチャー・ライティングの位置」(『文学と環境』19、二〇一六年)がある。

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