多様化する子どもに向き合う教師たち

継承語教育・補習授業校におけるライフストーリー研究

  • 瀬尾悠希子(著)/2020年9月
  • 3300円(本体)/A5判並製300頁
  • 装丁:長田年伸

複数の言語や文化の中で育つ子どもに、教師はどのように教えているか?
在外教育施設である補習授業校で行われる日本語/継承語教育の実状を、3人の教師の授業実践についての語りを分析することにより考察。子どもが言葉を学びつつ自己を育むことのできるよう、教師の専門知・実践知の構築と変容の過程を探求する。
(ISBN 9784861106934)

目次|contents

まえがき
序章 私のストーリー
第1章 継承語学校と変化に直面する補習授業校
1.1 マルチリンガル、マルチカルチュラルな子どもたちと継承語学校
1.2 変化に直面する補習授業校
第2章 教師を理解するためのアプローチ
2.1 教師研究の流れ
2.2 言語教師のアイデンティティに関する研究
2.3 教師のアイデンティティとナラティヴ――ConnellyとClandininの研究
2.4 本研究の立場
第3章 方法論の検討
3.1 ストーリーによる人間理解
3.2 ライフヒストリー(LH)と2つのライフストーリー(LS)
3.3 社会構成主義的なライフストーリー研究を行う理由
3.4 社会構成主義的なライフストーリー研究における調査者
第4章 調査の概要
4.1 リサーチ・クエスチョン
4.2 調査協力者の確定と協力依頼
4.3 インタビュー
4.4 データ分析
4.5 引用箇所、固有名詞の表記
第5章 多様性の中でのアイデンティティの確立を支援する――Aさん
5.1 Aさんとの出会いとインタビュー
5.2 Aさんが働く補習校
5.3?Aさんのストーリー
5.4 Aさんのストーリーの考察
第6章 子どもたちの発想や思考を深める――大村さん
6.1 大村さんとの出会いとインタビュー
6.2 大村さんが働く補習校
6.3 大村さんのストーリー
6.4 大村さんのストーリーの考察
第7章 子ども自身がしたいことを――田中さん
7.1 田中さんとの出会いとインタビュー
7.2 田中さんが働く補習校
7.3 田中さんのストーリー
7.4 田中さんのストーリーの考察
第8章 3人のストーリーの考察
8.1 補習校で教えはじめたときの支えとするストーリー
8.2 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーの原点
8.3 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーを具体化したこと
8.4 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーの表現
8.5 目の前の子どもたちの実情に対応する支えとするストーリーを生きることの意味
8.6 リサーチ・クエスチョンへの答え
8.7 本研究から得られる示唆と課題
終章 私のストーリーの変化
資料A Aさんのストーリーの主な出来事
資料B 大村さんのストーリーの主な出来事
資料C 田中さんのストーリーの主な出来事
あとがき
参考文献
索引

著者|author

瀬尾悠希子(せお・ゆきこ)
東京大学大学院総合文化研究科・教養学部講師。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。専門は日本語教育学。主な論文に「教師の支えとするストーリーと教育実践」青木直子・マシュー=バーデルスキー編『日本語教育の新しい地図』(近刊、ひつじ書房)、「教師のやりとりから生まれる教育観の見つめ直し」細川英雄・鄭京姫編『私はどのような教育実践をめざすのか』(2013年、春風社)などがある。

この本を注文する

Amazonで注文する Hontoで注文する 楽天ブックスで注文する