中世英語英文学研究の多様性とその展望
吉野利弘先生 山内一芳先生 喜寿記念論文集
- 菊池清明、岡本広毅(編)/2020年12月
- 8000円(本体)/A5判上製508頁
- 装丁:穂積晴明
「古英語」「中英語」「中世受容」「通時研究」の4部構成で、31編の論考を収録。中世英語英文学研究における方法論の多様性と、その限りない可能性を探る。
(ISBN 9784861107146)
目次|contents
序
Editor’s Preface
本記念論集の出版に寄せて
中世英語英文学研究における多様な視点と研究方法
I.古英語 Old English
——言語 Language
・石黒太郎 Some Derivatives of ehtan in the Old English Orosius
・畝部典子 Old English scir and sciene
・鈴木敬了 Metrical Influence on ‘auxiliary + main verb’ constructions in an Old English poem, Exodus
・小河 舜 Wulfstanによる古ノルド語からの借用語laguの使用と意味変化——その通時的変化と作品との連関性
・市川 誠 アルフリッチの『文法』Harley 107写本の言語
・井出 光 旧約聖書詩編引用におけるfactum esse とwesan geworden(2)
——文学・文化 Literature and Culture
・唐澤一友 アングロ・サクソン時代における「世界」観
・藤井香子 The War between God and the Devil in Wulfstan’s Homilies
・三木泰弘 BeowulfとAndreasに関する一考察
・吉見昭德 On Consideration of the Old English Epic Beowulf’s Story and Hengest “þēodnes ðegne” (Beowulf, l. 1085) including the Fragment Finnsburg Episode, and Hengest Thereafter
・福田一貴 The Rime of King Williamの作者に関する一考察——1086年の散文個所との関連から
・和田 忍 アングロ・サクソン・イングランドにおけるゲルマン人的異教文化について
・小池剛史 ‘Welsh ale’に見るアングル人とブリトン人の融合社会——『ピーターバラ修道院長チェオルレッドとウルフレッドの同意書』における用例の検証
Ⅱ.中英語 Middle English
——言語 Language
・江島孝人 Sir Gawain and the Green Knightにおけるhendeの用法
——文学・文化 Literature and Culture
・池上惠子 聖人伝を読む——聖人伝に見る世相
・今井光規 Sir Orfeo: Plot and Audience
・玉川明日美 『カンタベリー物語』における粉屋と “cherl” という〈個〉
・小倉美加 ジェフリー・チョーサーの夢物語詩における「鳥の囀り」の役割とその解放について
・菊池清明 中世英文学における自然描写の変容——『カンタベリー物語』と『ガウェイン卿と緑の騎士』
・長谷川千春 ガウェインと聖杯——マロリー『アーサー王の死』における信仰と反抗
・松井倫子 Gawain-詩人の詳細描写の手法とその不足について——Sir Gawain and the Green KnightにおけるGawain卿のHautdesert城入城の場面
・野地 薫 プルーデンスは賢妻か?
Ⅲ.中世受容 Reception of the Middle Ages
・多ヶ谷有子 鳥獣戯画とThe Canterbury Tales, GP最初の18行
・林 邦彦 トリスタン物語を扱ったフェロー語バラッド『トゥイストラムのバラッド』試論
・岡本広毅 J.R.R.トールキンの「ガウェイン論」再考——“the air of ‘faerie’” の効用を巡って
・末松良道 チューダー・インタールードに見る青少年問題
Ⅳ.通時研究 Diachronic Studies
・新川清治 単体通時言語資料としてのPeterborough Chronicleの有用性――人名を含む同格表現における一検証
・片見彰夫 中英語散文における意思伝達の技法——メタファーと行為指示型発話行為動詞を中心に
・小笠原清香 英語におけるスケールと強意に関するメタファー―fastとrobustの通時的意味の変化・発達を通して
・柴﨑礼士郎 (It/there is) no nayの歴史的推移と文法化の漸次性について
・小倉美知子 Hunger (v.) or be hungry (be + adj.) — a diachronic choice?
吉野利弘教授 略歴・業績
山内一芳教授 略歴・業績
執筆者一覧
編者|editors
菊池清明(きくち・きよあき)
関西外国語大学教授
岡本広毅(おかもと・ひろき)
立命館大学准教授