持続可能な開発における〈文化〉の居場所

「誰一人取り残さない」開発への応答

  • 関根久雄(編)/2021年1月
  • 3500円(本体)/四六判並製368頁
  • 装丁:中島衣美

SDGsにおいて経済・社会・環境は語られる一方で、文化は見過ごされてきたのではないか?
「持続可能な開発」に、地域社会の文化や文化的多様性はいかにして結びつく・結びつけられるべきなのか。開発の理念・思想と各国の現場の実際を、開発学・人類学・教育学・社会学の観点から多角的に検討することで、議論の足がかりを探る。

(ISBN 9784861107115)

目次|contents

はじめに
第Ⅰ部 開発・SDGs・文化―その関係性の再考
第1章  斎藤文彦 一〇年後の地球に人類はまだ生きているか?―資本主義経済から社会連帯経済への転換の可能性
第2章  真崎克彦 文化的多様性を尊重したSDGsのあり方とは?―脱成長論の科学的方法論を手がかりに考える
第3章  野田真里 SDGsとNGO/市民社会―「誰一人取り残さない」ボトムアップの社会変革と「包摂的な文化」にむけて
第4章  北村友人・荻巣崇世・芦田明美 SDGs時代における「学び」のあり方を「文化」の視点から捉え直す  
第5章  下田恭美 「開発」と「文化」を超えて―SDGs時代に求められる開発プラクティス

第Ⅱ部 地域文化と接続可能な開発実践―文化の視点から持続可能な開発の姿を読み解く
第6章  関根久雄 サブシステンスと持続可能な開発―ソロモン諸島におけるSDGsをみる視点
第7章  井上真 熱帯林保護地域管理への住民参加―ボルネオ島中央部の事例より
第8章  箕曲在弘 コーヒー生産地域における搾取的状況と「文化」―ラオス南部ボーラヴェーン高原におけるフェアトレードコーヒーの事例から
第9章  西川芳昭 食料・農業のための生物多様性の文化的価値―作物と人の関係から読み解く持続可能な食と農・農村
第10章  川口純 持続可能な開発のための教育の理念と実態―国際教育協力における「文化の居場所」について
第11章  菅野美佐子 インド農村におけるSDGsとジェンダーをめぐる文化的位相―開発による変化からの日常の回復と持続
第12章  白川千尋 保健医療分野のSDGsと文化―目標三および東南アジア・オセアニアのマラリア対策活動をめぐって
第13章  早川公 地方創生は持続可能なまちづくりの夢を見るか?―「SDGs未来都市つくば」を事例として
第14章  朱藝 持続可能な企業文化とは―海外日系企業を事例に

おわりに
執筆者紹介

編者|editor

関根久雄(せきね・ひさお)
1962年生。筑波大学人文社会系教授。専門は文化人類学、開発人類学、オセアニア島嶼地域研究。主な著作に、『地域的近代を生きるソロモン諸島―紛争・開発・「自律的依存」』(筑波大学出版会、2015年)、『実践と感情―開発人類学の新展開』(編著、春風社、2015年)、『グローバル化する〈正義〉の人類学―国際社会における法形成とローカリティ』(共著、昭和堂、2019年)など。

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