現代中東における宗教・メディア・ネットワーク

イスラームのゆくえ

  • 千葉悠志、安田慎(編)/2021年2月
  • 2800円(本体)/四六判並製248頁
  • 装丁:桂川潤

宗教の柔靭性を問う。
書物、映画、ラジオ、テレビ、インターネット、SNS、そして慈善団体、国際機構、法学者集団。情報化や宗教復興の只中にある中東のイスラームを「メディア」と「制度的ネットワーク」の視点から論じる、9章+コラム4編。

(ISBN 9784861107283)

目次|contents

序章  現代中東における宗教とレジリエンス―メディア社会への抵抗と適応(千葉悠志)

第1部 宗教とメディア
第1章  アラブ世界における出版技術の発展とクルアーンの刊本化(竹田敏之)
第2章  現代イスラーム改革の思想戦略と『現代のムスリム』誌―20世紀後半のアラブ思想界の深層を読む(黒田彩加)
コラム(1) 教科書と宗教教育(内田直義)
第3章  白い異邦人から真正なる巡礼者へ―ヨハン・ルードヴィヒ・ブルクハルトのマッカ巡礼経験をめぐる再帰性と超越性(安田慎)
第4章  「モラル装置」化する映画―エジプト・コメディ映画に描かれる「偽物のイスラーム」(勝畑冬実)
コラム(2) ラジオと知識人(相島葉月)
第5章  放送メディアとイスラーム―宗教的言説空間の拡大と変容(千葉悠志)
第6章  神の言葉を伝えるメディア―クルアーングッズからSNSまで(二ツ山達朗)
コラム(3) インターネット時代における宗教指導者と信徒(近藤洋平)

第2部 宗教と制度的ネットワーク
第7章  難民を救うイスラーム的NGO―イスラームに根ざす支え合いの仕組み(佐藤麻理絵)
第8章  イスラーム協力機構―宗教で結びつく国際関係(池端蕗子)
コラム(4) アズハル(相島葉月)
第9章  イスラーム金融を作る―法学者たちの静かなる革命(長岡慎介)

おわりに

編者|editors

千葉悠志(ちば・ゆうし)
公立小松大学国際文化交流学部准教授。中東地域研究、メディア研究、国際関係論。Media in the Middle East: Activism, Politics, and Culture(共著、Palgrave Macmillan、2017年)、『世界のメディア―グローバル時代における多様性』(共著、春風社、2018年)、『現代アラブ・メディア―越境するラジオから衛星テレビへ』(ナカニシヤ出版、2014年)など。

安田慎(やすだ・しん)
高崎経済大学地域政策学部准教授。中東地域研究、イスラーム地域研究、中東観光史。Religious Tourism in Asia: Tradition and Change through Case Studies and Narratives (共編著、CABI、2018年)、『イスラミック・ツーリズムの勃興―宗教の観光資源化』(ナカニシヤ出版、2016年)など。

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