
エチオピア帝国再編と反乱(ワヤネ)
農民による帝国支配への挑戦
- 眞城百華(著)/2021年3月
- 4200円(本体)/A5判上製374頁
- 装丁:中島衣美
「埋もれた声」を追う
1943年、エチオピア帝政期で最大規模の農民反乱が発生した。エチオピアの支配民族であったティグライ人が起こした「ワヤネ」と呼ばれるこの反乱の背景にあった、政府とティグライ人の対立、ティグライ農民と貴族の関係、エチオピアをめぐるイタリアやイギリスなど列強の意図を、文書史料調査と多数の現地聞き取り調査から探るとともに、会合を通して反乱を組織化する、主体的な農民たちの姿を描く。
(ISBN 9784861107214)
目次|contents
序章
第1章 エチオピアとティグライの政治と社会
第2章 ティグライ州の行政改革と中央政府の介入
第3章 アファール襲撃事件――慣習の復活と帝国軍による鎮圧
第4章 ワジラット事件――州政府と農民の武力衝突
第5章 ワヤネの組織と展開
第6章 ワヤネ――「反乱」への転化
第7章 ワヤネの帰結と中央集権化の確立
終章 ワヤネと農民
参考文献
インフォーマント一覧
用語解説
索引
著者|author
眞城百華(まき・ももか)
上智大学准教授。エチオピア史、アフリカ研究。
主な著作に、「民族の分断と地域再編――ティグライから見たエチオピアとエリトリアの100年」(小倉充夫編著『現代アフリカ社会と国際関係――国際社会学の地平』、有信堂、2012年)、「戦う女性たち――ティグライ人民解放戦線と女性」(石原美奈子編著『現代エチオピアの女たち――社会変化とジェンダーをめぐる民族誌』明石書店、2017年)、「北東アフリカにおける脱植民地化と国際秩序の再編――イタリア植民地処理と地域対立の萌芽」納家政嗣・永野隆行編『帝国の遺産と現代国際関係』勁草書房、2017年)など。