愛と共生のイスラーム

現代エチオピアのスーフィズムと聖者崇拝

  • 石原美奈子(編著)/2021年3月
  • 6300円(本体)/A5判上製552頁
  • 装丁:中本那由子

宗教、民族、国の違いを越えてともに祈る
西アフリカからエチオピア西部にやってきたひとりのスーフィー(イスラーム神秘主義者)が、「無償の奉仕」を通して、オロモの人々を中心に様々な民族・宗教に属する人々からカリスマ的な聖者として崇敬されるようになった過程、そしてそのカリスマ性が、次世代の人々の営みによって受け継がれていく様子を描き出した民族誌。

(ISBN 9784861107306)

目次|contents

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凡例
プロローグ
序章

第Ⅰ部 西部オロモ社会とイスラーム
第1章 オロモの社会と宗教
第2章 ジンマ地方のイスラーム化:「商人」と学者

第Ⅱ部 カリスマの誕生:アルファキー・アフマド・ウマルの人生誌
第3章 聖者性の醸成:西アフリカからエチオピアへ
第4章 聖者性の発現:ミンコ村からクサイェ村へ
第5章 聖者性の存続に向けて

第Ⅲ部 カリスマの日常化:ティジャーニー教団の「土着化」
第6章 聖者と精霊:イスラーム化と霊媒師の役割
第7章 ティジャーニー教団の展開と「イスラーム化」
第8章 「聖性」の政治学:ヤア聖者廟村の形成と変容

第Ⅳ部 「カリスマ」を取り巻く社会環境の変容
第9章 ヤアの今日的状況:土地取引と民族対立の最中で(松波康男)
第10章 引き継がれるアルファキーの「仕事」:トリ集落とアブドゥルカリーム(吉田早悠里)

終章

エピローグ
インフォーマント一覧
用語
参照文献
索引

著者|authors

石原美奈子(いしはら・みなこ)
南山大学人文学部・教授。文化人類学。主な著作に、『現代エチオピアの女たち―社会変化とジェンダーをめぐる民族誌』(編著、2017年、明石書店)、『せめぎあう宗教と国家―エチオピア 神々の相克と共生』(編著、2014年、風響社)、Muslim Ethiopia: The Christian Legacy, Identity Politics, and Islamic Reformism(共著、2013年、Palgrave Macmillan)、ファーガソン,J.『反政治機械―レソトにおける「開発」・脱政治化・官僚支配』(共訳、2020年、水声社)など。

松波康男(まつなみ・やすお)
明治学院大学社会学部・准教授。社会人類学。主な著作に、「「南スーダンにおける紛争解決合意(ARCSS)」署名を巡るIGAD加盟国の関与」(『アフリカレポート』57、2019年)、『現代エチオピアの女たち―社会変化とジェンダーをめぐる民族誌』(共著、2017年、明石書店)、『フィールドワークの安全対策』(共著、2020年、古今書院)など。

吉田早悠里(よしだ・さゆり)
名古屋大学大学院人文学研究科・准教授。文化人類学。主な著作に、『誰が差別をつくるのか――エチオピアに生きるカファとマンジョの関係誌』(2014年、春風社)、Greetings from the Austrian-Hungarian Monarchy, the Ethiopian Empire and Beyond: The Picture Postcards of Friedrich Julius Bieber (1873-1924)(2021年、LIT Verlag)、Bieber, F. J. Reise nach Äthiopien: Tagebücher 1904, 1905, 1909(編著、2021年、LIT Verlag)、ファーガソン,J.『反政治機械―レソトにおける「開発」・脱政治化・官僚支配』(共訳、2020年、水声社)など。

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