〈線〉で読むディケンズ

速記術と想像力

  • 松本靖彦(著)/2021年5月
  • 3600円(本体)/四六判上製300頁
  • 装丁:矢萩多聞

賑やかな作品世界を生み出したディケンズ。その人物造形の秘密は、若き日に身につけた速記術にあった?!
『骨董屋』『クリスマス・キャロル』『大いなる遺産』などの作品を、〈線〉にまつわる問題に着目して読み直し、「自己と他者」「生と死」「子どもと大人」などの境界線をめぐる想像力の働きを明らかにする。

(ISBN 9784861107474)

目次|contents

序章
第一部:ディケンズの速記と想像力
第一章:ディケンズの速記と人物造形
第二章:ディケンズとホガースの速記術
第二部:境界線をめぐるドラマ
第三章:大人と子どもの境界線―大人の中に子どもはいるのか
第四章:自他を隔てる境界線 (一)『大いなる遺産』―ピップは自分の人生の主人公になれるのか
第五章:自他を隔てる境界線 (二)『ドンビー父子』―フローレンス・ドンビーは父親の宝となれるのか
第三部:境目の想像力
第六章:生きているのか死んでいるのか―見世物小屋としての『骨董屋』と人形の死に様
第七章:いずれは死なねばならぬから―ディケンズの『骨董屋』『互いの友』とフロイトの『快原理の彼岸』
終章:結論―越境するディケンズ(の想像力)

著者|author

松本靖彦(まつもと・やすひこ)
東京理科大学理工学部〔教養〕教授。専門分野は19世紀英米小説、ヴィクトリア朝文化、剣戟映画。

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