野村芳兵衛の教育思想

往相・還相としての「生命信順」と「仲間作り」

  • 冨澤美千子(著)/2021年11月
  • 3630円(本体)/四六判上製272頁
  • 装丁:長田年伸

明治後期から昭和期の教育者である野村芳兵衛による教育実践の可能性を、大正自由教育運動といった社会的な動向の影響をふまえ、独自に生み出された教育思想から考察。池袋児童の村小学校や岐阜公立学校での実践と構想を解明し、自他の相即的・同時的な救済の倫理に基づく、共に生きるための教育の意義を探究する。
(ISBN 9784861107504)

目次|contents

序章 野村芳兵衛の「生命信順」と「仲間作り」の教育思想を問う意味
第一章 野村芳兵衛の生涯
第二章 「生命信順」の教育思想――他力の教育への覚醒過程
第三章 「協力意志に立つ教育」の具現化としての「野天学校」と子ども概念
第四章 「親交学校」を基盤にした「仲間作り」の教育と「協働自治」
第五章 「学習学校」と綴方教育における「教科書を作る教育」――「仲間作り」を基盤にした「生活科」の構想
第六章 「仲間作り」の教育思想――他力の教育実践の可能性
終章 野村芳兵衛の教育思想における往相と還相の論理
参考文献一覧
論文初出
あとがき
索引

著者|author

冨澤美千子(とみざわ・みちこ)
横浜美術大学美術学部教授、同大学教職課程主任。博士(文学)。専門は教育学、教育思想史、カリキュラム研究。大阪大学大学院人間科学研究科臨床人間学講座教育人間学専攻博士前期課程修了、奈良女子大学大学院人間文化総合科学研究科社会生活環境学専攻博士後期課程修了。著書に『子どもの創造力を育む総合的な学習の時間』(単著、大学教育出版、2021年)、『学びあう食育――子どもたちのニュースクール』(共著、中央公論新社、2009年)、『子どもの側に立つ学校――生活教育に根ざした主体的・対話的で深い学びの実現』(共著、北大路書房、2017年)、『教育の知恵60――教師・教育者を励まし勇気づける名言集』(共著、一藝社、2018年)、『教職概論――理想の教師像を求めて』(共著、大学教育出版、2020年)、論文に「野村芳兵衛の綴方教育における『仲間作り』の意義と重要性」『カリキュラム研究』第25号、日本カリキュラム学会、2016年。

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