心理臨床 セラピストの身体と共感

ダンス/ムーブメントとフェルトセンスの活用

  • 山田美穂(著)/2021年10月
  • 4500円(本体)/A5判上製416頁
  • 装丁:中本那由子

人と人とのあわいの対話が静かな感動を

さらにリエさんは親子フラ教室を「私が楽しいから行く」時間だと表明し、それに「付き合ってくれる?」と打診をして、ケンくんがそれを了承するという、活動参加の意味づけの再設定をした。すると間もなく、ケンくんが自らステージ出演を宣言して堂々とやりきり、その柔軟さにリエさんがしみじみ驚くことになった。母子の間にはそれまでとは異なる関係性が出現していた。(本文より)

(ISBN 9784861107702)

目次|contents

第I部 序論
第1章 はじめに:心理療法の身体的次元に光を当てるには?
第2章 臨床心理学における身体的アプローチと身体観
第3章 心理療法における「共感」と「身体」
第4章 本書の目的
第Ⅱ部 方法論
第5章 本書の研究方法
第6章 実践の方法①:ダンスセラピー技法と型のあるダンスの活用
第7章 実践の方法②:自己探索を深めるためのフォーカシングの活用
第Ⅲ部 本論 親子フラ教室の実践:二人称/三人称の事例研究
第8章 伝統的な臨床事例研究:乳幼児の母親へのグループ支援における身体を通した共感
第9章 クライエント・インタビュー:パフォーマンス場面における身体的な相互交流の諸側面
第Ⅳ部 本論 実践と研究の方法の拡大:一人称/二人称の事例研究
第10章 研究者のフェルトセンスを活用した自己研究:身体を通した共感のための自己探索のトレーニング
第11章 身体を通した分析の試み:個別事例の複眼的検討による共感的理解の深まり
第12章 身体を通した分析の発展:認知症高齢者グループのダンスセラピー実践における身体を通した共感
第Ⅴ部 結論
第13章 総合考察
第14章 おわりに:身体を通した共感を,本書の中に示すことができたか?

文献
索引

著者|author

山田美穂(やまだ・みほ)
お茶の水女子大学基幹研究院 准教授
東京大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学
博士(臨床心理学)(学習院大学)
臨床心理士・公認心理師
北海道生まれ。葛飾赤十字産院、就実大学を経て、2021年より現職。
【主著】
『こころで関わりこころをつかう――心理臨床への手びき その実践』(分担執筆)、日本評論社
『知的障害のある人への精神分析的アプローチ――人間であるということ』(監訳)、ミネルヴァ書房(2021年12月刊行予定)

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