戦後日本のコミュニティ・シアター

特別でない「私たち」の演劇

  • 須川渡(著)/2021年11月
  • 4500円(本体)/A5判上製370頁
  • 装丁:中本那由子

「演劇で食べていく」のみにあらずの演劇の形
戦後日本における、演劇に従事しない素人の演劇活動「コミュニティ・シアター」の実態を考察。岩手県を拠点とする劇団ぶどう座の「地域演劇」や、占領期の「円形劇場」運動、障害者施設での演劇実践など、多様なコミュニティのなかで繰り広げられる演劇の豊かな在り様を探る。2020年に逝去したぶどう座代表・川村光夫氏のインタビューも収録。
(ISBN 9784861107641)

◆日本演劇学会 2022年度日本演劇学会河竹賞奨励賞 受賞

目次|contents

はじめに

序章 コミュニティ・シアター概観

第1部 劇団ぶどう座の地域演劇
第1章 地域演劇の試行――劇団ぶどう座創設
第2章 サークル文化運動としての演劇実践――稽古場建設運動・『嵐と沼』・『町長選挙』
第3章 ローカリティを越える民話劇――劇団ぶどう座『めくらぶんど』
第4章 民話劇の系譜――劇団ぶどう座『うたよみざる』
第5章 地域演劇のこれから――銀河ホール創設からの広がり

第2部 コミュニティ・シアターの実験――円形劇場を中心に
第6章 日本占領期における「円形劇場」の試み――CIEによる普及活動を手がかりに
第7章 劇空間の革新――大阪円型劇場研究会・月光会(一九五二〜六二年)の理論と実践

第3部 秋浜悟史の演劇実践――東北から関西へ
第8章 秋浜悟史の劇作品における「故郷」――『冬眠まんざい』『啄木伝』
第9章 循環するドラマ――知的障害者施設あざみ・もみじ寮の演劇実践

資料
1 川村光夫 インタビュー
2 劇団ぶどう座および川村光夫年譜
3 大阪・円型劇場研究会月光会 上演リスト(一九五二~六二年)
4 秋浜悟史および知的障害者施設あざみ・もみじ寮における演劇活動年譜

おわりに

謝辞
初出一覧
主要参考文献一覧
索引

著者|author

須川渡(すがわ・わたる)
福岡女学院大学人文学部准教授。大阪大学大学院文学研究科修了。博士(文学)。専門は演劇学。主に東北地方の農村を中心とした戦後日本の地域演劇について調査研究を行っている。共著に『漂流の演劇――維新派のパースペクティブ』(大阪大学出版会)がある。

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