自然と人生とのあいだ

自然主義文学の生態学

  • 永井聖剛(著)/2022年1月
  • 4291円(本体)/四六判上製380頁
  • 装丁:矢萩多聞
  • 装画:ミロコマチコ

自然のうちに人生を見、人生のうちに自然を見る
〈自然〉とは、実体としての「自然」ではなく、自他の境界をいったん無化し、再編成する――類化を促す機縁あるいは環境であり、またその手段でもある。
「日本自然主義文学」を〈「自然」をめぐる近代思想〉という新たな視点から読みかえる。
(ISBN 9784861107900)

目次|contents

序章  思想としての〈自然〉
第一章 自然としての人生―徳冨蘆花『自然と人生』と無常観の近代
第二章 田舎教師の復讐―田山花袋『田舎教師』における自己肯定の方法
第三章 初期『中学世界』における〈文学〉の再編成―「中学=世界」への参与と逸脱
第四章 「文章=世界」を生きる中学生たち―『中学世界』から『文章世界』への移行
第五章 〈自然〉のインターテクスチュアリティ―田山花袋はニーチェをどう読んだか
第六章 精神主義は自然主義である―清沢満之と田山花袋、あるいは他力思想としての自然主義
第七章 修養と自然―青年の変容と中年の誕生
第八章 Kとは誰のことか―KとT、あるいは独歩と花袋
第九章 自然のコンポジション―田山花袋『時は過ぎゆく』の構図と構成
終章 〈自然主義〉の現在と未来

著者|author

永井聖剛(ながい・きよたけ)
1968年、静岡県生まれ。横浜市立大学文理学部卒業。早稲田大学大学院教育学研究科博士課程単位取得退学。博士(学術)。
愛知淑徳大学創造表現学部教授。専門は日本近代文学。
主な著書に『自然主義のレトリック』(2008年、双文社出版)、論文に「異種混交体としての「です」調―山田美妙『白玉蘭(別名壮士)』にみる「大衆文学」への水脈―」(2015年、『日本近代文学』)など。

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