言語教師教育論

境界なき時代の「知る・分析する・認識する・為す・見る」教師

  • B・クマラヴァディヴェル(著)、南浦涼介・瀬尾匡輝・田嶋美砂子(訳)/2022年2月
  • 4000円(本体)/A5判上製320頁
  • 装丁:長田年伸

円を描くように言語の教師の成長を促すには?
レンガの山積みは家ではない――
外国語・第二言語の教師教育に向けた包括的なモデルの根拠と本質を、ポスト国民国家、ポストモダン、ポストコロニアル、ポスト伝達主義、ポストメソッドという視点と、場の特殊性、実践性、可能性という運用原理から再考。多様な言葉の営為のための教育の方向性を見すえる。
(ISBN 9784861107597)

目次|contents

著者による序文
謝辞
第1章 言語の教師教育を描きなおす
〈訳者座談会1〉日本の英語教育と日本語教育に「ポスト」がもたらすもの
第2章 知る
第3章 分析する
第4章 認識する
第5章 為す
第6章 見る
〈訳者座談会2〉「見とおす」目を持つ言語教師とは
第7章 モジュールモデルを (改めて) つくる
〈訳者座談会3〉モジュールモデルから見る日本の言語教師教育
補論1 メソッドとポストメソッド――両者は本当にそこまで相容れないものなのか?(デイヴィット・M・ベル)
補論2 TESOLにおけるメソッド――変化の過程と挑戦の傾向(B・クマラヴァディヴェル)
〈訳者座談会4〉クマラヴァディヴェルとポストメソッド
訳者あとがき
参考文献
参考文献(補論)
索引
著訳者紹介

著訳者|author and translators

◆著者
B・クマラヴァディヴェル(B. Kumaravadivelu)

マドラス大学(インド)、ランカスター大学(イギリス)、ミシガン大学(アメリカ)で教育を受ける。現在、アメリカ・サンノゼ州立大学言語学・言語発達学教授。研究の興味関心は、言語教育の方法、教師教育、教室談話分析、ポストメソッドにもとづく教育方法、文化とグローバリゼーションにもとづく教育など。主な著書に “Beyond Methods: Macrostrategies for Language Teaching”(Yale University Press, 2003)、“Understanding Language Teaching: From Method to Post method ”(LawrenceErlbaum, 2006)、“Cultural Globalization and Language Education”(Yale University Press, 2008. Kenneth W. Mildenberger Prize for Outstanding Research Publication を受賞)など多数。また、本書の原著である “Language Teacher Education for a Global Society” は、2013 年にイギリスの British Association of Applied Linguists の Outstanding Book of the Year 賞にノミネートされた。

◆訳者
南浦涼介(みなみうら・りょうすけ)
専門は日本語教育、教科教育、教師教育。東京学芸大学教育学部准教授。広島大学大学院教育学研究科博士課程修了。博士(教育学)。主要業績に『外国人児童生徒のための社会科教育――文化と文化の間を能動的に生きる子どもを授業で育てるために』(明石書店、2013年)、「年少者日本語教育における研究課題の変遷――学校と教育の再構築へ向けて」『日本語教育』第179号(共著、2021年)、「民主化のエージェントとしての日本語教育――国家公認化の中で『国家と日本語』の結びつきを解きほぐせるか」『教育学年報』第12巻(共著、2021年)。

瀬尾匡輝(せお・まさき)
専門は日本語教育、教育社会学。茨城大学全学教育機構准教授。上智大学外国語学研究科博士課程単位取得満期退学。博士(言語学)。 主要業績に「香港の日本語生涯学習者の動機づけの変化――修正版グラウンデッドセオリーアプローチを用いた分析から探る」『日本學刊』14号(2011年)、「日本語教師はどのように教育の商品化を経験しているのか」『言語文化教育研究』13号(共著、2015年)、「「文法を重視する」という日本語教育に対する教師の考えはどのように作り出されているのか――言語教育のローカル化の視点から」『Journal CAJLE』19号(2018年) 。

田嶋美砂子(たじま・みさこ)
専門は英語教育、社会言語学、批判的応用言語学、茨城大学理工学研究科(工学野)准教授、シドニー工科大学大学院人文社会科学部博士課程修了。PhD(教育学)。主要業績に「「実践としての言語」観がWE論・ELF論にもたらす示唆――教科書分析へのささやかな提言とともに」『アジア英語研究』第18巻(2016年)、Gendered constructions of Filipina teachers in Japan’s Skype English conversation industry, Journal of Sociolinguistics, 22 (2018年)、Engagement with English as a neoliberal endeavor: reconsidering the notion of language learning, Critical Inquiry in Language Studies, 17 (2020年)。

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