フォークナーの『サンクチュアリ』再読/改稿リヴィジョン

語り手の再編成モンタージュ

  • 岡田大樹(著)/2022年3月
  • 3500円(本体)/四六判上製254頁
  • 装丁:長田年伸

問題作『サンクチュアリ』は、鋏と糊によるゲラの切り貼りによって誕生した。初稿と出版稿のテクスト配置順序を比較検討することにより、作家が初稿の語り手と格闘し、新たな語り手のかたちを模索した痕跡をたどる。
再創造の瞬間へ

(ISBN 9784861107795)

目次|contents

序章 改稿に伴う偶然性と編集性
第1章 再帰的な語りの解体―再配置以前の作品冒頭部
第2章 並置的な語りの構築―テンプルの挿話の再配置
第3章 ホレスの経験の変貌―出来事の時系列の再配置
第4章 ホレスの観察の棄却―登場人物の呼称と再配置
第5章 遡及的記述の尾骶骨―成就しない予示と再配置
終章 再読に伴う断片化と未完化
補章1 時系列の指標の加筆
補章2 サートリス家の変貌
補章3 ふたりの母親の変貌

著者|author

岡田大樹(おかだ・ひろき)
1991年、神奈川県生まれ。2018年、専修大学大学院文学研究科博士後期課程を修了。2022年3月まで同大文学部助教、2022年4月から同大ほか非常勤講師。英米ゴシック小説の周辺を中心に活動中。主な論文に「「グロテスク」から「捻じれた林檎」へ―Winesburg, Ohioの中心概念の変化」『文研論集』56号(2017年)。

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