演劇の公共圏

  • クリストファー・バルミ(著)、藤岡阿由未(訳)/2022年4月
  • 3273円(本体)/四六判並製362頁
  • 装丁:中本那由子

古代ギリシャから現代のSNSにおける議論まで……多様なケーススタディをもとに「公共圏」の視点から演劇の歴史を辿り、民主主義の議論の場における「制度」として演劇がどのような役割を果たしてきたのか論じる。

検閲と演劇の関係とは? 「炎上」のもたらす意味とは? 「表現の自由」とは?  

(ISBN 9784861108068)

目次|contents

序文二〇二二
はじめに
序論
 公共圏とは何か、どこにあるのか
 観衆、観客、公共圏
 パフォーマンスと公共圏
第一章 演劇の公共圏を位置づける
 パブリックからプライベートへ
 アゴーン的な公共圏へ
 真実を演じる―パレーシア
 抗議と仲裁
 制度の基盤
第二章 互恵的な発信―プレイビルからブログまで
 プレイビルとその観客
 公共へ入る
 互恵的な回路
 批評のメディア
第三章 開放と閉鎖―ピューリタンと晒し台
 パンフレット、説教、小冊子―公の言説と密かな言説
 演者と議論
 攻撃と攻撃への反発
 最後の一撃
 ウィリアム・プリンの公開殉教
 禁制の条例
第四章 舞台の預言者―演劇・宗教・越境する公共圏
 マホメットの帰還
 ショー・マスト・ゴー・オン―ベルリンのポスト・オリエンタリズム
第五章 スキャンダルの公表と寛容の境界
 ワイマールのスキャンダル―性、人種、そして法律
 法律の視点
 情動の公共圏と神への冒涜という政治
 炎上とブラック・フェイス
第六章 演劇美学の分散とグローバルな公共圏
 遊戯的な過剰同一化―クリストフ・シュリンゲンジーフの『お願い、オーストリアを愛して!』
 『コール・カッタ』―親密圏
 他のアーティストもいる
 踊る多文化主義―DV8フィジカルシアター『これについて語りあえるのか?』

訳者あとがき
図版一覧
参考文献
索引

著者|author

クリストファー・バルミ(Christopher B. Balme)
ミュンヘン大学教授、同大学演劇学科長。主な著書に『演劇のグローバリゼーション1870-1930』(2020)、『ケンブリッジ演劇学入門』(2008)、『パシフィックの演劇』(2007)、『脱植民地化する演劇』(1999)などがある。

訳者|author

藤岡阿由未(ふじおか・あゆみ)
椙山女学園大学教授、演劇学。編著『ロンドンの劇場文化』(2015)、編著『演劇の課題2』(2015)、編著『演劇の課題』(2011)などがある。

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