憲法上のポピュリズム宣言

「ここでは人々が支配する」

  • リチャード・D・パーカー(著)、池端忠司(訳)/2022年8月
  • 3500円(本体)/四六判並製186頁
  • 装丁:長田年伸

トーマス・マンの小説『マーリオと魔術師』を素材にして、一般民衆の政治的エネルギーについての二つの感性「反-ポピュリズムの感性」と「ポピュリズムの感性」を分析し、両者に代わる新たなポピュリズムの感性を再定位。
大衆への蔑視とエリート主義による〈立憲主義〉を批判し、憲法についての議論のあり方を感性との関係で問い直す。

(ISBN 9784861108150)

目次|contents

第1章 政治的エネルギー
第1節  第一の「見方」
第2節  第二の「見方」

第2章 「高次の」法とは何か
第1節 普通の政治的エネルギーに関する二つの「見方」
第2節 反-ポピュリズムの優勢
第3節 なぜ「二重の見方」をするのか
第4節 「二重の見方」をすること

訳者あとがき

著者|author

リチャード・D・パーカー(Richard D. Parker)

1945年生まれ。1967年にスワースモア大学を卒業し、1970年にハーバード大学ロースクールを修了。学部時代、ニューヨークの上院議員ロバート・F・ケネディの下で働く。1970年から1971年までコロンビア特別区控訴裁判所のJ・スケリー・ライト裁判官、1971年から1972年までアメリカ合衆国最高裁判所のポッター・スチュワート裁判官の下で書記官を務める。 その後、子供防衛基金で弁護士として働き、1974年からハーバード大学ロースクールで教鞭をとる。現在は同大学ロースクールのポール・W・ウィリアムズ刑事司法教授であり、憲法と刑法を教える。また、アメリカの非営利団体でアメリカ国旗を物理的冒瀆行為から守る憲法改正を推進するための市民国旗同盟の会長も務める。主著に本書がある。

訳者|translator

池端忠司(いけはた・ただし)
神奈川大学法学部教授。論文に「寛容・コンテクスト・原理―表現の自由と「抑圧的寛容」」(東京大学社会情報研究所編『放送制度論のパラダイム』東京大学出版会、1994年)、「米国における公的文化助成と表現の自由」(『香川大学法学部創設二十周年記念論文集』成文堂、2005年)、「プロイセン対ライヒ事件をめぐるドイツ憲法理論―英語圏のダイゼンハウスの道案内で」(『憲法理論とその展開―浦部法穂先生古稀記念』信山社、2017年)などがある。翻訳に『寛容な社会―アメリカ合衆国における言論の自由と過激派の言論』(春風社、2018年)、『合法性と正当性―ワイマール期におけるカール・シュミット、ハンス・ケルゼンおよびヘルマン・ヘラー』(春風社、2020年)がある。

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