レオナルド・ダ・ヴィンチの源泉

様式・文学・人物表現

  • 田辺清(著)/2023年3月
  • 4000円(本体)/A5判上製202頁
  • 装丁:長田年伸

「万能の人」レオナルドの絵画作品とその実像に迫る
芸術と学問の個性的な発展――イタリア・ルネサンスを代表し「万能の人」と称えられた画家の作品を、素描技法や下絵による未完成作または完成作として再検討することで、その創造行為の源をひもとく。また様式や制作年代、物語等の主題、身体・風景描写の形態や色彩、後世の文学作品への影響を考察し、レオナルドの多様な思索が表出するありようを解き明かす。
(ISBN 9784861107733)

目次|contents

Ⅰ はじめに
Ⅱ 画家レオナルド――未完成作を中心に
1.絵画における未完成――レオナルド・ダ・ヴィンチの場合
2.フラ・バルトロメオとレオナルド・ダ・ヴィンチ――「未完成」祭壇画をめぐって
3.レオナルド・ダ・ヴィンチの《自画像》(トリノ王立図書館所蔵)について
4.レオナルド・ダ・ヴィンチの《洗礼者聖ヨハネ》について――「形態」と制作年代
Ⅲ レオナルド絵画の文学的源泉
1.W・B・イエイツとレオナルド・ダ・ヴィンチ
2.ヴァザーリ、ペイター、イエイツ……――レオナルド・ダ・ヴィンチ《モナ・リザ》をめぐって
3.W・B・イエイツ『レダと白鳥』の視覚的源泉
Ⅳ レオナルドの女性表現――聖母マリアを中心に
1.レオナルド・ダ・ヴィンチ《白貂を抱く貴婦人》(《チェチリア・ガッレラーニの肖像》)について
2.レオナルド・ダ・ヴィンチの《モナ・リザ》――「宿命の女」の系譜から
3.レオナルド・ダ・ヴィンチの「二点の聖母マリア」について
4.レオナルド・ダ・ヴィンチの《指さす女性》について――主題と制作年代
5.レオナルド・ダ・ヴィンチの色彩をめぐって――聖母表現における考察
Ⅴ おわりに
図版目録
人名索引

著者|author

田辺清(たなべ・きよし)
大東文化大学国際関係学部教授。専門はルネサンス絵画史・比較芸術学。一九五二年、千葉県生まれ。一九七八-八一年、ロンドン大学付属コートールド美術研究所に聴講生として留学。一九八五年、成城大学大学院博士課程単位取得退学。二〇〇二年より現職(二〇二三年三月定年退職予定)。二〇一七-二一年、大東文化大学図書館長。主要著書に『平凡社版・世界の名画2 レオナルド・ダ・ヴィンチ』(平凡社、一九八三)、『レオナルドの教え――美術史方法論研究会論集』(共著、ボーダーインク、二〇一三)、『天心をめぐる人々』(代表編著、大東文化大学・東洋研究所、二〇二〇)。主要論文に「レオナルド・ダ・ヴィンチと東方――《聖ヒエロニムス》をめぐって」(『東洋研究』第一六五号、二〇〇七、大東文化大学・東洋研究所)、「再考・レオナルド・ダ・ヴィンチと東方」(『東洋研究』第二一六号、二〇二〇、大東文化大学・東洋研究所)、「レオナルド・ダ・ヴィンチと古典古代――東方との関連について」(『東洋研究』第二二五号、二〇二二、大東文化大学・東洋研究所)。

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