住宅をめぐる〈欲望〉の都市論

民間都市開発の台頭と住環境の変容

  • 吉江俊(著)/2023年2月
  • 3500円(本体)/A5判並製コデックス装384頁
  • 装丁:コバヤシタケシ

都市の住宅は、わたしたちは、いったい何を欲してきたのだろう? 
民間による商品住宅開発が大都市の「普通の暮らし」を再編して30余年。新自由主義の住宅政策への転換・民間住宅開発の台頭・首都の再都市化・人口の都心回帰、これらが混然一体となる「第二の都市化」のなかで進行してきた住宅とまちの変化を眺望する。

序論「「欲望の都市論」序説―大都市と農村の往復から都市論を編む」を公開しています[pdfファイルが開きます]

(ISBN 9784861108280)

目次|contents

序  「欲望の都市論」序説―大都市と農村の往復から都市論を編む

第Ⅰ部  ふたつの都市化
第1章  過渡期の空間―住宅の変容から「第二の都市化」をとらえる
第2章  前史―「マンション」の登場と住宅の商品化

第Ⅱ部  欲望と暮らしのモード
第3章  住環境への欲望と都心回帰
第4章  「第二の都市化」と暮らしのモードの30年史
補論1  都心居住の呪いを解く試み―「戸建て感覚」と「ホテルライク」な住宅の出現

第Ⅲ部  欲求の階層性と住宅選択
第5章  住環境への欲求と居住者像
第6章  「第二の都市化」の時代の住宅選択

第Ⅳ部  遷移する地域とジェントリフィケーション
第7章  マンション開発と地域像
第8章  遷移する地域のフィールドワーク
第9章  東京のみえない格差と息苦しさの地理学
補論2  3つの大都市のジェントリフィケーション

結  「第二の都市化」はどこへ向かうか―都市論と都市計画の円環へ

あとがき
索引

図集  住環境をめぐる「欲望」の地図
写真  「第二の都市化」の風景
年譜  住宅をめぐる「第二の都市化」の展開

著者|author

吉江俊(よしえ・しゅん)
早稲田大学建築学科講師、博士(工学)。専門は都市論・都市計画論。
日本学術振興会特別研究員、ミュンヘン大学訪問研究員を経て現職。自治体・住民と協働した地方市町村のまちづくり、民間企業と協働の都市再生や「迂回する経済」の実践研究まで幅広く行う。近年は早稲田大学キャンパスマスタープラン作成、東京都現代美術館「吉阪隆正展」企画監修など。
著書に『無形学へ かたちになる前の思考――まちづくりを俯瞰する5つの視座』(共著、水曜社、2017年)、『クリティカル・ワード 現代建築―社会を映し出す建築の100年史』(共著、フィルムアート社、2022年)、『コミュニティシップ――下北線路街プロジェクト。挑戦する地域、応援する鉄道会社』(共著、学芸出版社、2022年)、『吉阪隆正 パノラみる』(共著、ECHELLE-1、2022年)。
本書が初の単著となる。継続するテーマを扱った次作として、『迂回する経済の都市論』が近刊予定。

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